家で最期を迎えるということ

家で最期を迎えることの素晴らしさを、改めて感じたご家族との出逢いがありました。

 

 

1か月前まで、人生を楽しまれていたご主人、命の宣告は突然訪れました。

 

どうしたらいいのか、戸惑われる奥さんに重い病気が重なってみつかりました。

 

こんなときに、私までもが・・・やはり、家は無理だろうと転院を考えられた時、

 

ご主人は自分の思いを家族に話されました。

 

「家に帰りたい!」

 

奥さんと子供さんたちは決意されました。

 

「やっぱり、お父さんの思いを大事にして、家に帰ろう!」

 

 

 

でも、家で過ごされたのは、たった数日でした。

 

でも、短いとか長いとかの問題ではなく、

一日一日をお父さんのために明るく楽しく家族の集まる時間となって過ごされたのです。

 

旅立ちの前日、家族全員が揃い、

なんとか座ることのできたお父さん。

何か食べさせてあげたいといわれ、冷たいものがいいかなと話し、

人気の「ガリガリくんソーダ」に決まり、すぐにコンビニに買いに走られました。

 

たぶん、十分に飲み込むことは難しい状況だったのですが、

娘さんが横から抱きかかえるように座り、お孫さんが「おじいちゃん、おいしいよ」食べさせてくれました。

「味だけでもわかる?」

「美味しい?」

「よかったね、お父さん、さくらちゃんが食べさせてくれてるよ!」

みんなの思いが通じて、一口ごくっと飲み込まれました。

 

とてもとても大事な家族の時間。

 

「こんなに家で過ごすことが素晴らしいことだとは思わなかった」

 

「お父さんを囲んでこんなににぎやかに過ごせるなんて・・・」

 

「家に帰ってきて、本当によかった」と。

 

あたたかい家族の絆に、家で過ごすことの大切さを改めて感じた時間でした。

 

よかったね、お父さん。

 

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