中学の時、隣の席の栗原くんが
革のラグビーボールをツバで磨いていた。
それが気になって、ラグビー部に入部したタナカだが、
大切なものにツバをかけて、
磨くなんてこれもまたラグビーの不思議なところ。
このツバ臭いボールについて今日は書いてみたい。
僕が中学の頃のラグビーボールは、革でできていた。
このボール磨きは、本当に大切な作業だった。
部員一人一人に担当するボールがあった。
どの部員も、練習終わりに、
ツバも出ない中、喉がカラカラになりながら、
一生懸命に磨いた。
中には持って帰って、
バナナの皮を試したり、
靴のワックスを使ってみたり、
磨く方をタオルにしたり、
お古の靴下やお母ちゃんのパンストにしたり、
試行錯誤しながら、ボールをピカピカにして、
翌日の練習に備えた。磨いてる時間は無我夢中。
明日のラグビーのことばっかり考えて磨いていた。
後輩の崎村くんは、ボールを毎日ピカピカにして、
ホントに顔が映るくらい光らせる名人だった。
ピカピカ名人のひとつ下の彼は、
ラグビーのプレイスタイルもかっこいいし、
非常にうまいし速いし、そして、やっぱり、丁寧だった。
ココぞという時のタックルやジャッカルは抜群で、
チームのピンチをいつも救ってくれていた。
そんな彼に、ボール磨きの極意を尋ねたことがあった。
「なあなあ、なんでそんなピカピカにできるん?
ツバやないモノで、なんか隠し技でも使ってんの?」
「ショータロさん、極意なんてものはなくって、普通にツバで磨いてます。
誰よりも丁寧に、時間と、労力と、愛情をかけてる自信はありますけどね。」
爽やかで、そして、自信のある笑顔で教えてくれた。
一つ下の学年は、
ラグビーに対する情熱と、隠れた努力が半端なくあって、
それなのに、いつも爽やかなプレイヤーたちだった。
そして、スマートでカッコいいラグビーをするなあと
羨ましく思っていたことを思い出した。
何よりも大切なラグビーボールを、
ゴールラインを越えるトライまで、
丁寧に丁寧にみんなで運ぶこのスポーツは、
ラグビーボールこそが象徴である。
ボールを繋いでいく、とはどういうことか。
実際にボールの受け渡しはどうやっているのか。
今こそ、そこから多くを学び取りたい。
今日はここまで。
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