20日か、それとも一日長い21日か。

3人で、どんぐりの名前の付いた公園を歩いた。

歩き終わって、彼の2階の部屋で診察だ。

彼は徐ろにこう切りだした。

 

なあ、先生や、、、今から、

3人でクイズしよっか、、、?

ワシな、、いつ頃やと思う?

 

少し痩せたお顔でニヤッとして話された。

 

ワシはあと20日やから、3月末やと思うんや。

桜は見えるか見えないか、ってところやな。

みどりちゃん(訪問看護師さん)はどないや?

 

そうですね、、、3月終わりなんかなあ、、、

桜はきっと見れますよ、、、きっと、、、

 

お腹の音を聴いて、痛みを確認しながら、

一呼吸、二呼吸、、三呼吸、、、

 

こちらも、徐ろに、

 

もうちょいあると思うんですけど、僕は、、、

 

ほな、20日に1日長く、21日やな。

そうしとくな。そしたら4月になって、、

今年も桜は見えるか、、、、、

 

僕の目をしっかり見て、21日やな。とおっしゃった。

そのお顔はどこか、安堵されたお顔だった。

 

 

帰りがけ、こう声をかけられた。

 

先生な、往診の車な、少しは洗いや。

 

よお、見てはりますね。

 

ワシな、観察する目は鋭いんやで

先生がウソついてるかどうか、目え見てたらわかるんや。

 

車洗う時間ないくらい、患者さんのトコ、回ってますねん。

 

それはウソやな。あんまりワシのトコ来てへんしな((笑))

 

やっぱり、患者さんは僕たちのことをよく見ておられる。

感謝・謙虚、笑顔を忘れずに、今日もザイタクに取り組もう。

幸せなことに、僕には待ってくれている患者さんがいる。

 

 

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