肺癌のターミナル期になると、呼吸状態の維持が大切になる。
呼吸状態の維持が図れれば、家で楽しく暮らせる。
医療用麻薬で、呼吸困難感を改善したり、
在宅酸素療法で、呼吸酸素化をサポートしたり、
ココまでは、大抵行うべきこととして、
多くの場合に理解されているのだが、
もう一つとっても大切なことがある。
それは呼吸リハビリだ。
これを活用できると、より一層、ターミナル期が過ごしやすくなる。
呼吸リハビリと言えば、
療法士さんらによる徒手的アプローチだと思いがちだが、
実は効果があるのは、誰でも出来る次の3つだ。
①体位ドレナージ
つまり体をあっち向けこっち向けすること。
体を動かしにくい場合は、介護者が体の向きを大胆に変えてあげるとよい。
半腹臥位なんかも、排痰しやすくなり、呼吸が楽になる。
くれぐれも口鼻が塞がれてしまわないように注意しながら行って欲しい。
②深呼吸
これは『ハッハッハッ』とするハフィングと同様、
大きな声を出したり、歌を歌ったり、会話をしたり、それで、排痰しやすくなる。
病状でどうしても呼吸が小さくなるので、時々、深呼吸の声掛けをしてあげて欲しい。
③下肢トレーニング
下肢筋力の維持が呼吸機能維持につながっている。
どうしても歩くのは難しくなっているので、
これは状態に合わせてほしいが、安全に歩行機能維持に取り組む為に、
2本のポールを使用するノルディックウォーキングがお勧めだ。
ぜひ、肺がんの方で、最期まで穏やかに、お家で過ごしたいとお考えになっている方は、
こういった呼吸リハビリ的視点のあるザイタク医とお付き合いになると良いと思う。
今日も、70代女性の肺がんターミナル期の方に、
上記を意識しながら、さり気なく呼吸改善を図ってみた。
お身体を介助する時のコツは、大胆に、そして、繊細に。
酸素も医療用麻薬も、まだ使用していないが、
呼吸リハビリ的アプローチで、僕が帰る頃には顔色が良くなっていた。
診察に来た時は朦朧としていた彼女も帰る頃にはしっかり握手できていた。
医療依存度を下げるアプローチとは、こんな感じだ。
訪問する全てのものに、リハビリマインド(生活再建マインド)を。
まだまだ、ザイタク医療の質は高められる。
そうすれば、多くの方がもっと家で楽しく暮らせる。
今日は雪だ。静かに過ごそう。
今から日本尊厳死協会関西支部理事のクローズド勉強会がある。
安楽死・尊厳死・平穏死の学びだ。また、別の機会に皆さんにお伝えしたい。
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