それがわかって、何になるんですか？
そのお薬で、暮らしが楽しくなりますか？
治らないんなら、もう入院は要りません。
不治の病を目の前にした時、医者は無力だ。
脳転移症状は、日々変化する。高次脳機能障害は、苦しい。
日本人は、ガンは２人に１人罹患すると言う。
早期発見早期治療が、これからも治癒に向けたスタンダード。
ガンのメカニズムがさらに解明され、いろんな治療法はできてくるだろう。
それは喜ばしいことだと当然思ってはいる。しかし、その日進月歩に多くの命が
費やされていることも忘れてはいけない。そのお一人お一人の物語は、地球より重く大切だ。
高次脳機能障害が生じる脳転移症状は、どのガンでも起こり得る。
２人に１人罹患するガン。その終末期の症状を僕らはもう少し知っておくべきだ。
今、いろいろな病気に対し、新しい診断や新しい治療、新しい予防法が、開発されている。
もう一度言うが、そこに多くの犠牲が有ることも決して忘れてはならない。
犠牲というと、言葉は良くなかったかもしれないが、お一人お一人の物語は、本当に大切だ。
冒頭の言葉をもう一度胸に刻もう。
それがわかって、何になるんですか？
無駄な内服や検査や、無駄な入院が多すぎるこの国の医療のことを、
患者さんや市民さんは、もうとっくに気が付き、憂いている。
今を生きることを、僕はしっかり支えたい。
医者は無力だ。だからこそ足を運ぼう。話を聞こう。
今日も何人もの脳転移の方々の苦しみに触れ、僕も苦しかった。
医者は無力だが、それでも、やれることはあるはずだと信じたい。
今日は静かにこの曲を聴いている。
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