昔々、医者5年目の頃、初めて在宅医療に触れた。
その理事長先生は、60歳を超えておられたが、
尼崎の大都会の中、ママチャリ自転車で、
前カゴに往診カバンと後ろカゴに処置道具を入れて、
雨の日も、雪の日も、風の日も、暑い夏の日も、
腸閉塞で入院中の病院から抜け出してでも、
父が死に葬式の日であっても、周りの静止なんかお構いなしに、
訪問診療に出かけていかれた。ハッキリ言って、
周りの医者達からは、白い目で見られていたが、
患者さんからの人気は絶大で、ホント赤ひげ先生だった。
その病院の整形外科のバイトに行ってたタナカは、
昼休みに、大雨の中、雨ガッパを着て、ビチョビチョで、
訪問診療からお帰りなった先生に尋ねたことがある。
先生、楽しいですか?
ニコって笑われて、頷かれ、そして、
理事長椅子にドカって座り、アッという間に眠り始め、
夜診までの少しの時間、お休みになられた。
その後、ムクって起き出すと、夜診のすごい人数の患者さん。
どの患者さんにも、どんな時でも満面の笑みで接せられる。
僕も隣の外来診察室で、必死に診療し学ばさせていただいた。
あれから20年。あの憧れの訪問診療のスタイルに、
僕も少しは近づけたんじゃないだろうか。
これからも、患者さんのこの一瞬に全力をかけていたい。
そして、ココだけの話、その一瞬一瞬を楽しんでいる自分が大好きだ。
ここザイタクに居ると患者さんのおかげで何度でもそれを気付かせてくれる。
ザイタク医療は楽しい。
これからも皆さんと一緒に育てたい。
今日もありがとうございました。
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