章ちゃんの手料理と尊厳『暮らし』

今日はね、ワタシ、章ちゃんの手料理が良いわ。

お肉焼くだけだったり、お刺身買ってきて、並べるだけでも良いの。

ご飯も炊いて、お味噌汁は私が作るわ。

お漬物は、キュウリのお漬物で、切ってくれるでしょ。

大っきく切ったり、斜めだったり、そんなのもいいのよ。

 

こんな会話を昔々、大好きだった元カノとしてた記憶がある。

 

 

『暮らす』ことって、『ご飯』に象徴されることが多い。

高級レストランや美味しいと評判のうどん屋さんや

日々の吉牛や王将、バーミヤン、マクドだけやなくて、

お手製の下手くそな料理だって、すごく大切なことがある。

 

尊厳『暮らし』を考えた時、リビングウィルを考えた時、非開始と中止を考えた時、

医療に掛からずとも、自分たちのお手製の『暮らし』をしてたって尊厳を手にしたい。

いやもしかしたら、医療がない方が、尊厳『暮らし』のことだってある。

 

章ちゃん、ワタシね、どんな高級レストランや鉄板焼きのお店のお肉より、

あなたの焼いてくれたこのちょっとだけ高いスーパーのお肉のステーキが、

一番好きよ。だって、ワタシのためだけに、料理してくれてるんですもの。

その時間が本当に大好き。どんな高級レストランよりも好き。

 

 

こんな素敵な会話、内緒やったけど、きっと皆さんにもあると思う。

 

尊厳『暮らし』は、医療者によるものではないと、やっぱり思う。

医療者が用意したものだけで、尊厳『暮らし』は手に入らない。

 

市民の皆さん、ぜひ自分たちの手で。

僕はそのちょっとだけのお手伝いに、全力で取り組みたい。

 

シン・ピンコロ後、すぐに三田に戻って往診した。

間質性肺炎のお父さん、愛する奥さんが僕に電話をくれた。

私達でできることはしたいけど、今日はどうしても先生が必要だったの。

だって、どう見ても急性増悪でしょ。こんな時は入院よ。先生お願いね。

 

彼らのザイタクを、そっと支えたい僕は喜んで演劇後すぐに三田に戻った。

彼のいのちを守るため、急性期病院はすごく柔軟にご対応いただけた。

 

ザイタクは、どこまで行っても皆さんのもの。

そして、尊厳『暮らし』や、尊厳『死』も。

 

だからこそ、皆さんの挑戦をほんの少しだけ、そっとサポートする。

そんな黒子のような在宅医がいい。僕はそれを目指している。

 

 

今日は、こんな曲が頭にずっと流れてた。

良かったら聴いてください。

 

 

 

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