おーい、僕は今、どこにいるんだ!?

母は死んだら、大好きな祖母と一緒に、

墓に入れて欲しい。って言っていた。

 

父は死んだら、骨は海に流して欲しいって、

墓なんかいらん、ワシは。って言っていた。

 

両親ともにその願いは叶えてあげられず、

両親が眠る墓に参っては手で撫で頭を下げている。

「おーい、オカン。おーい、オヤジ。スマン』って、

心の中で大きな声で両親のことを呼んでいる。

 

次は自分の番がやってきた。

確かな僕はどこにあるのか、

それを見出したくて旅に出た。

 

 

空海さんが唐からの帰り、立ち寄った篠栗。

南蔵院前駅に降りた時、心がここを求めていた。

 

僕には、そんな場所が必要だ。

代々の墓はなく、流す予定の海もない。

一緒に入る墓を用意したり、残す気持ちもない。

 

 

 

お味噌汁の旅は、きっと自分探しの旅になるだろう。

 

泣いて生まれてみんなに笑って迎えられ、

みんなに泣かれながら自分は笑って旅立ちたい。

 

僕にはもう守るべき墓も入るべき墓もない。

息子にはお世話になるが、遺骨を納める場所を探したい。

そんな気持ちにさせた篠栗という土地だった。

 

そろりそろりと自分自身に声掛け応援を始めた。

「おーい!おーい!章ちゃんシッカリしいや」って。

 

また来よう。良かったら聴いてください。

 

 

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