毎年恒例の有馬温泉。大晦日前日に行く。
自分の家族と関西ドクターズの先輩ご家族と
もう一緒に行くようになって、20年。
どちらの家の長男も20歳を越え医学部に通う。
幸せな時間。なのに、年末有馬温泉の時に限って、
大体、毎年、タナカが、皆さんにご迷惑をおかけする。
その時に限って、大切な患者さんの急変が重なる。
今年も例によって、皆でお食事の時と重なった。
食事はもちろん諦め、家族を先輩にお願いして、急行した。
患者さん九十三歳のお祖母様の大往生。
山奥の患者さん、うちの看護師が丁寧に対応してくれてて、
僕が駆けつける頃には、もう穏やかな時間となっていた。
先生、看護師さんずっと居てくれてたから、
不安無かったです。僕、母と似てますか?
呼吸が止まるまでの間、ずっと手を握ってお声をかけておられたそうだ。
彼女の寝顔は、とても穏やかで、息子さんに似ておられた。
いや、白髪の息子さんがお母様に似てこられてるのかな((笑))
先生、やっぱりうちお金無いですから、直葬がエエかな思うてます。
ダンボールの棺はちょっと可哀想、、、そこくらいだけはなんとか、、、。
涙を目に浮かべながら、母のための棺桶を考え、微笑む息子さん。
年末年始、火葬場混んでるからしばらく一緒に寝てあげてくださいね。
ああ、こんな優しい時間が、僕にも、親父にも欲しかったと、
同じ2023年の、3月に実家の風呂の中で死んでいるのを
発見された父親のことが、ふっと目に浮かび涙が出そうになったけど、
グッと堪えて、お父様のことも大切にしてあげてくださいねと言って、
2023年最後の往診を終え、いつも通り患者宅を後にして、急いで有馬温泉に向かった。
人の最後は、場所や見守る人くらいは、自由に自分で選ぶことができる。
この何気ない、それでも、僕にとっては特別で大切な、ザイタク看取り。
この仕事に、プライドを持って、夢を持って、出逢えた人にお届けしたい。
理由はどうであれ、お家に拘られる少数の方々に、
これからもずっと、丁寧に、大切に、ラグジュアリーに、
『ザイタク医療』をお届けしていこうと年末に決心できた。
有馬温泉に戻り、先輩とその後、呑みなおした。
いつまで、その夢、頑張るつもりや?って、
僕のことを心配してくれている先輩に尋ねられた。
皆さんにご迷惑をおかけしますが、走れなくなるまでです((笑))
僕のことを必要としてくれる人がいる限り、
僕は、もう少し、走っていたいと思った。
3月26日親父の誕生日。79歳。その日に風呂で一人死んだ親父に、
もう一度逢いたいなあって、2023年の大晦日仕事納めの夜、
やっと涙が出てきて、自宅に帰る一人の車中でワンワン泣いた((笑))。
2023年を締めくくる素敵なザイタク看取り。
出逢わせて頂いたすべての皆様に、そして、
旅立たれたキクさんに、心から感謝申し上げます。
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