満たされない思いを胸の奥に抱いたまま。とにかく笑えれば。

先生、ガリガリ君食べてくれたんです。

私が嬉しくって、なんかあった時だけ、

お電話するつもりだったんですけど、

やっぱり嬉しくって、それだけなんですけど、

とにかく笑顔だったし、お電話しちゃいました。

 

 

三田市にクリニックを移転して13年。

障害者支援施設入居者さんの診療の初めてのご依頼。

篠山病院時代は、地域の中核病院と言うこともあり、

地域の障害福祉の近くにいることができていたのだが、

三田市では新参者。障害福祉の領域に関われるまで、

地域の信頼を得る時間が必要で今まで時間がかかった。

 

今回のご依頼は、以前、朝顔の種を分けてくれた、

重度心身障害者のしんちゃんとのご縁のおかげ。

 

 

60年以上ここに入居されてる彼女は、知的障害がある。

こだわりが強く、人見知り。僕らを受け入れてくれるか、

心配だった。施設の施設長が、とても丁寧に、

僕らを彼女に引き合わせてくれた。数回訪問した。

 

笑顔で挨拶から始まり、握手、バイバイ、等々、

いろんなことで、関係を作るよう訪問を重ねた。

どうにかこうにか腹部の診察まで辿り着いた日の夜。

 

冒頭のお電話があった。

施設長は「ガリガリ君で涙が出そう」って嬉しい声。

 

腹部のガンで徐々にその時が、近づく彼女。

食事も、ほとんど喉を通らなくなってきた。

彼女のケアを施設の皆さんは献身的にされている。

彼女の気持ちがどこにあるのか、諦めることなく、

時間をかけ、丁寧に、声掛けをし、探していく。

いろんなことを試され、僕にも助言を求められる。

 

クリームソーダがお好きなら、

ガリガリ君なんてどうでしょうか?

そして、MITUYAサイダーにMCTオイル

(先日、STの川端さんに教えて頂いた。)

なんてどうでしょうか?とお伝えしていた。

 

 

 

両親の愛さえも、

なぜか彼女は拒み続け、

長年この施設で暮らされてきた。

彼女の事がとても大切なお母様は、

今はもう90歳を越えている。

一人暮らしで頑張っておられるそうだ。

「娘の良いようにしてやって下さい。」

そう施設長にお伝えになっておられる。

この言葉の重みを嚙みしめながら、

彼女の完成期リハビリに臨みたい。

 

最後の時まで彼女のリビングウィルが、

丁寧に、穏やかに、大切に叶えられる様、

一生懸命の施設の皆さんと伴走したい。

 

今日も『ザイタク』は、場所ではなかった。

だから僕はここが好き。ホンマに優しかった。

 

 

誰もがみないつも満たされない思いを、

胸の奥に抱いたまま、歩き続けている。

ハハハって今日も、とにかく笑えれば。

 

良かったら聴いてください。

 

 

 

 

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