90歳目前、心不全終末期で認知症のある彼女。
入院が大っ嫌いで、デイサービスも嫌い。
忙しい娘さんに代わって、お孫さんのお世話を
ずっとしてきた。お孫さんもお祖母ちゃん大好き。
それで、お家でお孫さんの成長を眺めているのが
大好きな彼女は、どんな時もとってもチャーミング。
自宅のお風呂が大好きで、いつも便秘気味。
時々、お家の中で、裸になったりと変わった行動をして、
ご家族を困らせたりなんかしても、笑いで許されちゃう。
市民病院心不全ケアチームのご紹介で、
在宅医療を導入することになったのは、
ちょうど一年前。循環器外来との並診はせず、
急変時の対応を一任されてお付き合いが始まった。
この一年間は、特に大きなイベントもなく、
ザイタク医としては、ニコニコおしゃべりに加えて、
作業療法士さんとリハビリテーションの調整と、
訪問看護ステーション看護師さんと排便コントロール。

その彼女。先週、夜になって急に、
右手右足が動かなくなった。
お電話があって、夜間往診に。
呂律も多少回っていない。お水を飲むと、
唇がちゃんと閉まらなくて、お水が垂れる。
頭痛とかの痛みの症状は特になかった。
早速、その場で緊急人生会議。
入院もデイサービスも大っ嫌いな彼女は、
予想通り、このままでよいとの事。
認知症があったとしても、ちゃんと想いを話される。
娘さんは、母が頑としてそこまで言うのなら、
このまま、ここで様子を見たいとのこと。
脳梗塞の良くない方の事が起こることも、
ちゃんと知って、理解いただいたけど、
やっぱり、お母様の意思を尊重したいと。
訪問看護ステーション看護師さんに電話を入れ、
その翌日、そして、週末土日の訪問看護を調整した。
僕の訪問も、しばらく毎日継続した。
一週間経過して、再梗塞は今のところ起きていない。
それ以降のご家族、訪問看護ステーション看護師さんの
丁寧な関りで、水分摂取もスムーズで、麻痺も改善傾向。
やっぱり、入院治療が全てではないことを彼女は証明されている。

と、ここまでは、順調なのだが、
今後のケアプランをみんなで見直した。
僕の大好きなサービス担当者会議が月曜日にあった。
みんなの総意として、これを機に、
デイケアでのリハビリも追加したい。
今後のいろいろな身体機能変化に応じて、
家族介護量も考慮して、老健ショートなど、
組み合わせて最後までこの暮らしを支えたい。
で、ここでいつもの様に、大切な確認になった。
デイサービス・デイケアでの急変時の対応について、だ。
彼女は、とことん家で暮らし続けたい。
どんな病気が、彼女の身に起きたとしても、だ。
デイサービスやデイケアの急変時。
ご本人のリビングウィルは、守られていますか?
昨日、素敵なデイサービス勉強会に呼んでいただいた。
介護の皆さんに、今度はこのお話をぜひとも伺ってみたい。
会津の祐子さん、どうぞよろしくお願いします。
空を眺めてたら、この曲がラジオから。
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