半年前に、いよいよが近いとお家に帰ってこられた。
98歳のお誕生日には、神社にお参りに行けるまでに。
だけど、やっぱり100歳近い彼女。毎日毎日が違ってて、
いよいよを予感する日もあったり、塞ぐ日もあったりで、
関わるみんなは一喜一憂する。長寿を願えば願うほどに。
老衰の方の終末期。医療ボケしてる僕らは医療に頼りたがる。
老衰の方の大往生のこの時期に、必要なのは検査じゃなく愛。
「終末期医療」なんて言葉があるのだけれど、僕は嫌いだ。
医療は暮らしを支える為のもの。大往生には愛だけでいい。
98歳のお母さんのことで、娘さんからお電話があった。
先生、私の不安を聞いてください。
大好きな母にだけはその時が来ない。って、
ずっと思ってたんです。だけど、、、先生、
足がむくんで来たり、食欲が無かったり、、
昨夜、大好きなカニのお鍋をしたけど、、、
雑炊までは食べれなくって、、もうエエって。
やっぱり、先生、母も、98歳の母にも、、、
ね、、、、そうですよね、、、はい、、、
お話聞いてもらって、なんだかホッとしました。
またお電話させてください。これからは、土日、
通いやなくって、、、泊まるようにします。
お母さんの傍に居てやりたいからそうします。
母への愛こそがなによりも大切なこと。
終末期医療は、きっと、無い方がいい。
今日もザイタクは穏やかで静かだった。
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