医者になったのは28年前。そんな昔から、
『インフォームドコンセント』が大切だ、
『説明と同意』が大切だと言われてきた。
経営移譲でバタバタしている市民病院で、
今日、最後の振り返りカンファレンスが、
循環器病棟で開かれた。働き方改革、、、
市行政改革不振、、病院経営不振、、、、
よくわからないこんな窮屈な波の中を、
掻い潜り、それでも、ここに時間を割いて、
沢山の病棟看護師さんが、素直に、熱く、
ナイチンゲール精神で、集まってくれた。
それには、ひとつだけ、訳があった。
その振り返りカンファレンスに、なんと!
患者さんの奥様が時間を作ってお越しになられた。
先日、『ザイタク』で旅立った方の奥様が、
市民病院の若い看護師さん達のためになるのなら、
未来に主人のように穏やかな『ザイタク』を手に出来る方が一人でも増えるなら、
そんなお気持ちでお越しになっていただけた。
だから、循環器病棟の看護師さん達は、
この意味の分からない移譲の忙しい最中、
それでも何が大切なのかを学びたくて、集まり、
奥様の熱い願いに耳を傾ける時間を持てた。
本当に、この場を借りて感謝を申し上げます。
Mさん、奥様、本当にありがとうございます。
旅だった彼は、何度も口にされていたことがある。
「この先生な、ワシほんま信頼してんねん。
何がってな、今のワシのな心臓の状態をやで、
ワシらがわかるようにな、ちゃんと説明してくれるんや。
それ聞いただけでな、ワシもうホンマ安心するんや。
どうせ死ぬんはわかってるわ、医者に言われんでもな。
死ぬとかの話の前にな、今のワシの状態を教えてくれ。
先生、ホンマありがとうな。また来てや。待ってる。」
『説明と同意』は、『説明と同意』でなければ意味がない。
四半世紀前から、医者になる前から、これは医学教育にもある。
だけど、時々聞く医者が言う「説明はしてあります。」という言葉。
説明は、伝わってこそ説明であり、
自分の体のことを知りたいという患者の気持ちを汲み、
ちゃんと説明できてなければ、プロだとは言えない。
今日の振り返りのカンファレンスの後、
参加させて頂いていた愚息が言っていた。
「Mさん、訪問行かせてもらった時、帰り際握手してもらった時、
「お前の父ちゃんな説明がよおわかるんや。あんたも頑張りや。」って話してた。
今日は、参加されてた看護師さんや奥さんの熱い想いを聴いて、それを思い出してて
ずっと涙をこらえてたん。オレもっとしっかり勉強するわ。」
Mさん、大切なことを、シンプルなことを、
もう一度、ちゃんとやりたいと思います。
若い医療者達を天国で見守ってください。
彼らなら、今より、きっと良くなります。
今日は本当にありがとうございました。
またいつかお逢いしましょう。合掌。
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