患者の痛みは患者自身が表現出来きない。
腹部に腫瘍が出来たのが1年前。
人工肛門を作ったりして、
目の前の症状を緩和しながら、
抗がん剤治療に取り組んできた。
その抗がん剤だけが命を繋ぐものだと信じていた。
だから、抗がん剤治療がこれ以上できなくなった時、
死を本気で意識した。本気の意識なんて、簡単に書くが、
その覚悟は並大抵ではなかった。
さらに、階段のあるご自宅にも昇れず、
自宅に戻れないと気が付いてしまった。
そんな彼女に、痛みの程度を聞いてみた。
痛みの程度なんて、先生、数字で聞くけど、
いつも3って、答えてきたわ。だってね、そう、
10の痛みなんて私どんなのか知らないじゃない。
だから、3って、答えてるの。だけどね、それでね、
もらえるお薬では、半分も効いてないわ。だからたぶん、
10痛いって、言わなきゃいけないんでしょうね。
でもね、正直怖いのよ、10痛いって言うのは、、、
もう死んでしまうくらいの痛みが10なら、
10って私はもう死んじゃうって認めること。
だから、10くらい痛くても3って言っとく方が良いでしょ。
患者は、本当の痛みを医療者には話していない。
何故って、死にたくないから。死を認めたくないから。
この事を知ってこそ、緩和ケアの専門家だ。
今日も、痛みに苦しむ患者とマッサージしながら、
痛みの本質を探りながら、人生を語り合ってきた。
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