さあまた向かい風の坂道を登り始めよう。

3か月前の5月17日の日曜日、夜のこと。

週1回くらいしか自宅に帰らないタナカは、

普段は、僕に痛みなど全く言わない彼女が、

アンタ、ちょっと急にお腹張って来たけど、

なんか薬とかないん?ちょっと様子見るわ。

妻のその表情はたった3か月前のことだし、

いつも強気で弱音も吐かずしっかりもので、

子供らの教育に人一倍情熱を傾けた彼女の、

弱気な発言にただ事じゃないとピンときた。

 

その後5月末には急激な腫瘤の増大を認め、

緊急手術。その時には2リットルもの大量の

腹水貯留も出現して、術後止まることなく、

毎日腹水が2リットルも術後創から出続け、

病理確定診断がつく前に、その時を迎えた。

症状出現1カ月後6月15日天国へ旅立った。

 

残された僕ら家族は、周囲の多くの方々に、

言葉では言い表せない多くの支援をいただき、

四十九日、初盆を、なんとか、生きてきた。

51歳の妻の無念を胸に僕もなんとか踏ん張った。

20代前半の息子と娘は本当によく頑張っている。

僕は、父として、夫として、そして、医師として、

妻であり母である彼女の命を守れなかったのに、

息子と娘の頑張りに対し、心からの尊敬と共に、

周りの方々の彼らへの支えに本当に感謝したい。

 

 

このような転機の速い癌に出逢ったのは初めてだ。

僕の28年の医師人生の経験はたかが知れているが、

こんなにも速く、そして、重篤な癌があることを、

初めて知った。これからの人生も医師である為に、

この向かい風の坂道を、また登り始めたいと思う。

 

皆さま、心から感謝いたします。

皆さま、ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いします。

 

良かったら聴いてください。

 

 

 

 

 

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