第14話 妻で女で、ちょっと観音様在宅

自宅に帰ってこられて、3週間。

 

帰ってすぐに、

大好きなお酒の晩酌の許可を求め、

わたしの人生は本当に幸せで楽しかった、

いい旦那さんに出会えたから、

と笑顔で話された。

 

 

1週間目に、入院中に気になっていた台所の片付け。

2週間目に、お気に入りのお部屋の片付け。

3週間目に、旦那さんのお相手をして日帰り温泉に。

そして、

旅立つ日の夜中に、

大切にしていた台所をピカピカに磨き上げ、

スーッと旅立たれた。

 

旅立たれた彼女の寝顔は、

女の人にたくさんモテてきた旦那さんに、

ワタシが一番だったでしょ、お先に失礼‼ ニヤッ(笑)

こう話されているようでした。

 

そこには、妻の意地?いや、女性の偉大さを感じました・・・・・。

 

旦那さんは、

「一番はおまえやからなあ、、、」と

妻の手を握り、泣き崩れました。

彼は、とっても寂しそうで、途方に暮れておられました。

その傍の彼女の笑顔は、とっても優しく穏やかでした。

 

そのお顔は、本当に観音様のように美しかったです。

 

玉手箱の中身は、『ワタシは妻で女で、ちょっと観音様』だったようです。

 

勉強になりました。

ありがとうございます。