論文発表記録

Thesis

論文発表記録

1.日本臨床栄養学会雑誌 第37巻 第2号 2015,113-121【上田 康夫 / 田中章太郎】

(原著論文)Phase Angleは在宅高齢患者のフレイル指標として有用である

●要旨

在宅医療を受ける高齢患者のPhase angle(PA)を測定し、そのフレイル評価への意義を年齢、栄養、日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)、褥瘡および生命予後との関連から検討した。在宅診療を受ける70才以上の48症例を対象に、ポータブル体組成測定装置Bioscan 916 を用いて測定したPAは褥瘡合併群で有意に低値であったが、性差は認めなかった。Mini Nutritional Assessment-Short Form(MNA-SF)あるいはBarthel Index (BI)の高点数群では生存率の高値や褥瘡率の低値とともにPAの有意な高値を認めた。全症例を年齢あるいはPAによって区分した場合、各群のMNA-SF、BI、生存率はPAが高くなるほど有意に上昇、逆に褥瘡率は低下したのに反し、年齢による区分ではこうした傾向は認めなかった。PAを目的変数としてMNA-SF、BIおよび年齢との間で行った重回帰分析によると、PAはMNA-SF、BI両者と良好な相関性を示したのに反し、年齢との間には有意な相関性を示さなかった。

 70才以上の高齢者におけるPAは年齢に比べ、栄養、ADL、褥瘡さらには生命予後をより的確に反映しており、客観的臨床指標の得難い在宅診療において、簡便、無侵襲、かつリアルタイムなフレイル定量的評価法として応用しうる可能性がある。

●緒言

 近年高齢者医療への関心が高まるとともにフレイル(虚弱)の概念、定義、診断に関する議論が注目を集めている。直近のフレイルに関するコンセンサス会議において、フレイルは「多因子が関与する症候群で生理機能の減退、体力、持久力の低下を基盤として、身体機能障害や死に対して脆弱性が増した状態」と定義されたが、現在もなおその定義、診断基準に関する議論は続いている1)。フレイルの概念はそれが論じられ始めた1980年代当初には、「Activities of Daily Living(ADL)障害があり、さまざまな基礎疾患を抱え、在宅医療の継続がむずかしい高齢者」と定義されていた1)ように、高齢者を主な診療対象とする筆者らの在宅医療現場においてフレイルは日常的に遭遇する病態であり、その診断、評価は不可避の課題といえる。

 ところで、Phase angle (PA)は生体インピーダンス法 (Bioelectrical Impedance Analysis : BIA) で測定される電気的パラメーターの一つであり、その有する生理学的意義に不明の点もあるが、個体のBody Cell Mass(BCM:主に筋肉細胞量)や細胞外液への蛋白漏出に関連した細胞内外液バランスを表すことで細胞無傷害性2, 3, 4)の指標とされるほか、加齢とともに低下することが報告され5, 6)、担がん患者の予後推定7) などにも応用されている。

 筆者たちは、フレイルとPAがともに加齢に伴う退行性病態に関連することに注目し、本論文において在宅医療を受ける高齢患者のPAをMini Nutritional Assessment-Short Form(MNA-SF)による栄養評価8, 9)、Barthel Index (BI) によるADL評価10, 11)、褥瘡発症頻度さらには生命予後と比較することで、PAのフレイル評価における臨床的意義を検討した。

●対象と方法

1 対象
 対象は在宅医療専門施設であるたなかホームケアクリニックの患者のうち、2013年6月から2014年11月末までに診療した70才以上の48症例(平均年齢 83.4 ± 7.8才)と、基礎的検討の対象とした3例の健康成人である。研究内容に関する文書同意は原則的に本人、一部の認知症症例等では同居家族から得た。
2 BIA測定
 PA測定は訪問診療時にポータブル体組成測定器Bioscan 916(Maltron社製・エムピージャパン)12)を用いて行った。本機器は生体に微弱交流電流(50kHz、0.7mA)を通電することによってその電気抵抗値を測定するBIA装置であり、すべての測定は症例の右手−右足間で行った。
3 検討方法

1) 基礎的検討:PAの日内および体位間変動と測定間誤差
 健常成人3例において同日中の9時、14時、16時の各時間および仰臥位、側臥位、座位の3つの体位間でのPA変動を測定することでその日内変動と体位間変動を検討し、同時に測定間誤差を各測定値のcoefficient of variation(CV)算出によって検討した。

2) 臨床的検討:PAと基礎疾患、年齢、栄養、ADL、褥瘡および生命予後との関連
 全症例で測定したPAのうち、初回測定時(初回PA)と2014年11月末時点までの直近測定時(直近PA)の値に着目した。なお、経過中に死亡転帰をとった症例では死亡前直近の値を直近PAとして採用した。 
 得られたPAは初回測定時に行ったMNA-SFによる栄養評価点数、BIによるADL評価点数のほか、主基礎疾患、性別、年齢、褥瘡率(褥瘡症例数/各群症例数)、体格指数(Body Mass Index: BMI)、生存率(生存例数/各群症例数)と比較検討したほか、直近PAの初回PAとの比(PA比)を算出した。MNA-SFによる分析はその評価点数によって低栄養群(0 ~ 7)、At risk群(8 ~ 11)、栄養良好群(12 ~ 14)の3群、BI分析は0 ~ 19群、20 ~ 79群、80 ~ 100群の3群に分けて行った。一方、PAによる分析は、≧ 4度群(対照群)から0.5度ごとに< 2.5度群までの5群、年齢による分析は70 ~ 74才群(対照群)から5才ごとに≧ 95才群までの6群に分けて行った。なお褥瘡は日本褥瘡学会DESIGN-R分類のうちDepth (D) 項目が1以上のものとした13)。

4 統計解析
 得られたデータは平均値 ± 標準偏差(Standard Deviation : SD)で表し、それらの統計学的解析はStatMateⅢ(アトムス)を用いたStudent’s-t-test、χ2検定あるいは重回帰分析によって行い、p < 0.05を有意水準とした。

●結果

1 PAの日内、体位間変動と測定間誤差(表1)
 表1に示すごとく、健康成人3例のPAは対照とした9時にくらべ、14時、16時には有意に低下した。一方、側臥位や座位といった体位でのPAは対照とした仰臥位と有意差を認めなかった。他方、これらの検討における複数回数測定値のCVは0.2~2.5%と低値であった。以上の結果より、以降のPA測定は午前の訪問時、症例ごとにADLに応じて決めた同一体位で行うこととした。
2 基礎疾患による分析結果(表2)
 全症例を基礎疾患によって6群に分けた場合、整形外科疾患群の年齢は低く、逆にBMI、初回および直近PA、MNA-SF、BIは高値であった。一方、PA比は担がん患者群で低く、生存率も担がん、脳卒中、老衰群の順で低値であった。
3 性別による分析結果(表3)
 女性は男性より有意に高齢であったが、両群のBMI、初回、直近PA、MNA-SF、BI、生存率および褥瘡率に有意差を認めなかった。
4 BIあるいはMNA-SFによる分析結果(表4)
 全症例をBIによって3群に区分した場合、初回PAは対照としたBI:80 ~ 100群に比べ、BI:79以下の2群で有意に低く、BI点数の増加とともに上昇した。一方、MNA-SFによる区分でも、初回PAは対照としたMNA-SF:12 ~ 14群に比べ、MNA-SF:11以下の2群で有意に低く、MNA-SF点数の増加に伴って上昇した。他方、生存率はBI:79以下群で有意に低かったが、褥瘡率はBI:19以下群とMNA-SF:0~7群で有意に高値であった。
5 褥瘡による分析結果(表5)
 全症例のうち褥瘡発症例は14例であり、発症群の初回PAは2.9 ± 0.6度と非発症群の4.0 ± 0.7度に比べ有意に低値であり、直近PAについても同様であった。一方、MNA-SFは非発症群の8.1 ± 3.5に対し発症群で4.1 ± 1.4、BIも各々73 ± 26、22 ± 29、生存率も85%、42%とすべて発症群で有意な低値を示した。他方、両群の年齢に有意差を認めなかった。
6 年齢による分析結果(表6)
 全症例を年齢によって6群に区分した場合、対照とした70 ~ 74才群で4.0 ± 1.0度を示した初回PAは、≧95才群では2.9 ± 0.7度と低値を示したが対照群との間に有意差はなく、94才以下の各群間でも一定の変化を示さなかった。またMNA-SF、BI、生存率および褥瘡率もすべて加齢による有意な一定の変化を示さなかったが(図1 A、B、C)、PA比は≧95才群で有意に低かった。
7 初回あるいは直近PAによる分析結果(表7)
 全症例を初回PAによって5群に区分した場合(表7上)、対照としたPA ≧ 4度群で10.2 ± 2.8を示したMNA-SF、84 ± 21を示したBI、95%を示した生存率は、すべてPAの低下につれて漸減傾向を示し、PA < 2.5度群ではMNA-SFが3.5 ± 1.0と対照群の34%、BIが4 ± 8と対照群の5%、さらに生存率は50%にまで低下した。一方で、対照群で0%であった褥瘡率はPA < 2.5度群で100%にまで有意に増加した(図1 D、E、F)。他方、直近PAで区分した場合もほぼ同様で(表7下)、MNA-SFはPA < 2.5度群で対照群の38%、BIは30%、なかでも生存率は11%にまで低下したが、褥瘡率は逆に56%まで有意に増加した(図1D、E、F)。またPA比も直近PA < 2.9度群で有意に低かった。初回PAを目的変数、MNA-SF、BIおよび年齢を説明変数とした重回帰分析によると、PAはMNA-SF、BIとの間に有意な相関性を示し、両者の標準回帰係数はほぼ同程度であったのに反し、年齢との間には有意な相関性を認めなかった(表8)

●考察

 フレイル概念の定義には、それを身体障害の現れる前段階の虚弱状態に限定する狭義のものと、本論文でのように疾患、機能不全を有する症例をも含めた広義のものとがあるが、基本的にフレイルは低栄養とADL低下を主体として、最終的に死に至る状態を意味する1, 14, 15, 16, 17)。筆者らの従事する在宅クリニック患者の大半は高齢者で、さまざまな疾病、障害を有しており、中には機能検査はおろか本人への問診すら不能な患者も含まれる。これらの病的高齢者の間においてさえ年齢と関係しないフレイル、生命予後の差は確実に存在するが、現行のフレイル評価法によってそれを正確に把握することは難しく、より簡便で客観的、定量的かつ経時推移の評価可能な診断法が望まれる。

 ところで、BIAで用いられるパラメーターには体組織による抵抗(Resistance:R)と細胞膜でのコンデンサー抵抗(Reactance:Xc)の2つがあり、通常はこれらのBIAパラメーターを既知の体組成モデルからあらかじめ作成した推定式に代入することで体組成推定等に利用される18)。しかし、今回対象とした病的高齢者にはこうした一般的な体組成モデルが適合しないことから、RとXcからtan(R / Xc)によって計算されるPA値をそのまま検討に用いることにした。前述のごとく細胞無傷害性を反映するPAはそのままフレイルをも反映すると考えられるからである。

 本論文において筆者らはさまざまな病態を呈する高齢患者のPAを測定し、フレイル定義に関係深い栄養、ADL、褥瘡さらには生命予後といった諸要素との比較を行うことで、そのフレイル指標としての意義を探ろうとした。今回、栄養評価のために用いたMNA-SF8)は65才以上の高齢者を対象に開発されたもので、ADL評価に用いたBI10, 11)法とともに現在本邦で広く利用されている。なお実際のPA測定に先立って行った基礎的検討から、測定は午前の訪問診療時に個々症例のADLに応じた体位で行うことで十分な再現性が得られると判断された(表1)

 今回の対象48症例を基礎疾患別にみると、整形外科疾患群における初回、直近PAがMNA-SF、BI、生存率とともに他群より高値を示す一方で、担がん群では生存率とPA比が有意に低く、PA変化の大きいことが判明した(表2)。これは本施設が在宅理学療法を扱う特性上、整形外科症例に比較的状態の良い症例が含まれる一方で、担がん症例の中にPA低下を伴って早期に死の転帰に至る例が多かったことに起因すると推察できる。同様の傾向は表7に示すPA < 2.9度群でのPA比にも当てはまり、PA変化とフレイル変化の密接な関連性を示唆する。他方、PAには性別による有意差を認めず(表3)、また年齢による明らかな変化も認めなかった(表6)。この結果は、PAが男性に高値であり、加齢と共に減少するという従来文献6, 19)の成績とは異なっていた。しかし、同文献中の症例を75 ~ 80才以上に限定した場合には年齢や性差による影響は認めないことから、今回のわれわれの成績とは矛盾しない。

 以上の考案を踏まえた上で、次に全症例をBIあるいはMNA-SFで区分した検討を行った。その結果は表4に示すごとくで、BIやMNA-SFの低点数群では年齢が高い傾向にあり、初回PAはBI、MNA-SF点数の増加につれ有意に上昇することが判明した。また生存率と褥瘡率においても同様の傾向が認められた。なかでも、褥瘡は在宅医療を受ける高齢者にしばしば遭遇する疾患であり、その原因には高齢、局所圧力や剪断応力とならんで低栄養やADL障害が挙げられる13)。今回の検討においては褥瘡発症、非発症両群間の年齢に差はないものの、初回、直近PA、MNA-SFおよびBIが発症群で有意に低く、それは両群間の生存率の大きな差にもつながるものと思われた(表5)

 PAと栄養、ADLとの関連については、これまでがんや肝硬変患者等での報告があり20, 21)、血中アルブミンなどの栄養マーカー22)やMNAなどの栄養スクリーニング法との相関性が明らかにされている23, 24)。一方、ADLとの関連についても、フレイルとの異同が議論されるサルコペニアとの関係を含め、BIや機能的自立度評価(Functional Independence Measure: FIM)との相関、筋肉量や握力との比較に関する報告があり6, 25)、いずれも今回の筆者らの成績と一致する。

 ところで、フレイルに関する本邦テキストには、フレイルシェーマとしてグラフ縦軸に身体予備能力を、横軸に加齢を配したグラフがしばしば提示され、その中で予備能力は右下がりに漸減すなわちフレイルが加齢と共に進行していくパターンが示される1)。しかし、生存率や褥瘡合併率などをフレイル指標とすると、本研究の成績からはフレイルと年齢との強い関連性はうかがうことはできず、年齢とは別の座標軸を見出す必要があると考えられた。そこで筆者らは、フレイル進行評価の横軸としてのPAの臨床的意義を年齢との比較によって検討することにした。

 その結果、全症例を年齢によって区分した場合、PAをはじめMNA-SF、BI、生存率、褥瘡率のいずれも5群間で有意な変化を示さなかった(表6)のに反し、初回あるいは直近PAによる区分では、初回PAの低下に伴ってBI、MNA-SF、生存率はいずれも有意な低下傾向を示した(表7)。さらに初回PAを目的変数として行った重回帰分析からも、PAはMNA-SFおよびBIと有意な相関性を示すとともに、両者の標準回帰係数がほぼ同等であったことから、PAに対する両者の影響度はほぼ同程度と考えられる一方で、年齢との間には有意な相関性を示さなかった(表8)

 図1は年齢あるいはPAをグラフ横軸に配置することで、MNA-SF、BI、生存率、褥瘡率の変化を比較したものである。PAを横軸に配した図1右(D、E、F)に示すごとく、PAの低下に伴ってBI (D)、MNA-SF (D)、生存率 (E)はそれぞれなめらかな漸減傾向を示す一方で、褥瘡率は逆に漸増傾向を示した。特に、直近PAを横軸に配した場合には、初回PAを配した場合に比べ生存率の減衰程度が顕著であり(E)、臨床経過につれてのPA低下が死亡転帰につながっていく可能性が示唆される。しかし、図1左(A、B、C)に示す年齢を横軸に配した同様の検討ではMNA-SF、BI、生存率、褥瘡率の変化は、PAとは異なって年齢に伴う一定の変化を示さなかった。

 これらの成績は、栄養、ADLの減衰、褥瘡発症および生命予後悪化といった在宅高齢患者に出現するフレイルの進展過程が、加齢よりもむしろPAによって的確に評価される可能性を意味している。

 もちろん、今回の一連の検討は、現時点で確立されているフレイル診断基準15, 16)に準拠したものではない。しかし、Friedらの診断基準15)に基づいたWilhelm-Leenら26)の検討では、PA低値が年齢や併発症とは無関係にフレイルに関連し、死に至る相対危険度を上昇させること、煩雑な人体測定や機能検査を要さないPA測定の有用性が報告されており、筆者らの見解を強く支持する。

 以上より、フレイル診断において、PAは年齢とは別個の座標軸として、簡便、無侵襲、客観的、かつリアルタイムな定量的評価法として応用しうると結論づけられた。今後、今回の症例群には含まれない片麻痺例等での計測部位の選択や、現行フレイル診断基準との整合性等に関する検討を引き続き行うことで臨床応用への道を進めていきたい。

●利益相反

なし

●文献

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●Abstract

This study used bioelectrical impedance analysis to determine the phase angle (PA) for elderly patients receiving at-home care, and this study examined the PA’s significance in assessing frailty based on its relationship to age, nutritional status, activities of daily living (ADL), pressure ulcers, and life expectancy. Subjects were 48 patients age 70 and over. The Bioscan 916, a portable body composition analyzer, was used to determine the PA of these patients. Patient with pressure ulcers had a significantly smaller PA. Sex differences in the PA were not noted. Patients with a higher score on the Mini Nutritional Assessment-Short Form (MNA-SF) or the Barthel Index (BI) were found to have a higher survival rate, a lower rate of pressure ulcers, and a significantly higher PA. When all of the patients were classified by age or PA, the MNA-SF and BI scores and survival rate increased significantly for patients with a greater PA while the rate of pressure ulcers decreased. However, these trends were not evident when patients were classified by age. Multiple linear regression analysis was used to analyze the correlation between PA and MNA-SF, BI scores and age. A close correlation between PA and both MNA-SF and BI scores was noted, but a significant correlation between PA and age was not noted.
 The PA more accurately reflects the nutritional status, ADL, pressure ulcers, and life expectancy of elderly patients age 70 and over than does age. An objective clinical index of frailty is not readily available in at-home care, but the PA may be a simple, non-invasive method of quantitatively assessing frailty in real time.

[Key Word] phase angle, frailty, ADL, nutrition

●図表

表1 PAの日内変動と測定体位による変動

表2 基礎疾患で区分した場合のPA、MNA-SF、BI、生存率および褥瘡率

表3 性別で区分した場合のPA、MNA-SF、BI、生存率および褥瘡率

表4 BIあるいはMNA-SFで区分した場合のPA、生存率および褥瘡率

表5 褥瘡の有無で区分した場合のPA、MNA-SF、BIおよび生存率

表6 年齢で区分した場合のMNA-SF、BI、生存率および褥瘡率

表7 初回および直近PAで区分した場合のMNA-SF、BI、生存率および褥瘡率

表8 初回PAを目的変数とした重回帰分析結果

図1 PAあるいは年齢で区分した場合のMNA-SF、BI、生存率および褥瘡率の変化 Aは70~74歳の測定値をコントロールとした場合のMNA-SF(破線)あるいはBI(実線)の年齢区分による変化、B、Cは各年齢群での生存率(生存例数/各群症例数)、褥瘡率(褥瘡症例数/各群症例数)の変化を示す。同様にDはPA ≧4.0群をコントロールとした場合のMNA-SF(破線)あるいはBI(実線)の初回PA区分による変化、E、Fは初回あるいは直近PA区分による生存率、褥瘡率の変化を示す。 a : p < 0.001, b : p < 0.01, c : p < 0.05 vs 各control