短かしてや。

 

センセ、短かしてや。

 

 

ベッドの方からボソッと声がした。

眉間にシワを寄せながら、寝転びながら、

こちらの顔を伺うミカさん。

 

アカンアカン。お迎えなんて来おへんで。

 

そりゃ困るわ。私もうエエねん。迷惑かけるばっかやさかい。

 

センセ、この人いつもこんなんばっかですわ。

私、ここにいてもらおう思てますねん。

 

痛みはちゃんとコントロールできること、

薬の飲み方、一緒に覚えていってもらうこと、

説明しながら、眉間のシワのあるミカさんに、

レスキュー飲んでもらってたのが効いてきたのか、

それとも、娘さんの、家におったらエエねんで!の言葉が効いたのか、

 

センセな、ワタシな、介護保険はまだええわ、大丈夫や。

 

正気の戻ったお顔で、笑顔のミカさんに、一安心した。

 

 

 

ホンでもな、センセ、

神様に、よお言うといてや、

はよ頼むで、短かしてや!って。

 

ベッドから起き上がり座って話す

ミカさんの笑顔は、言葉と裏腹な気がした。

 

 

症状緩和は家のほうが合わせやすい。

こんなタナカでも、まあまあ名医だ((笑))

 

 

 

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