在宅療養を諦める時。
そこにあるのはなんだろう?
在宅療養をあきらめるターニングポイントは、
移乗が困難となる時、である。
すなわち、立ち上がり困難となる時だ。
そのときに、介助介護量が激増するからだ。
しかしながら、
介護技術や、介護保険のサービス量やサービス内容も、日々改良され、
また、リフトなどの福祉用具、介護用ベッドの多機能化などで、
介護依存度により、在宅療養を諦めることはないようになってきている。
一方、
医療依存度による在宅療養の諦めが
実は多すぎはしないか?!
過度の経管栄養や中心静脈栄養。
心機能維持のためのポンプ厳重管理を要する状況。
尿路バルーン管理の過剰導入。
通院が非常に困難になってからの化学療法継続。
止め時が見えてこない透析管理。
糖尿病インスリンの生活を無視した頻回注射。
高カロリー輸液下の胸腹水除去。
、、、、、
病室を在宅にそのまま移行するのは、在宅療養・在宅医療ではない。
ザイタク医療はそれを目指してはいない。
昨日も書いたが、
医療のために暮らしがあるのではない。
暮らしのために医療があるんだ。
過剰医療のダウンサイジングにこそ、
在宅医や地域医療連携室のプロフェッショナルさが試される。
そして、地域包括ケアの肝は、実はここにある。
地域包括ケアの中心は、
急性期病院の地域医療連携室にある
とタナカは考えている。
この国は今、モノに溢れ
コンビニなんかで何でも手に入る豊かな?時代。
医療においても、例外ではない
コンビニエンスな感じで医療が容易く利用できる。
そんなこんなで国民皆保険制度もこのままでは危うい。
やっぱり、何もかもを望むのは、少し違うように思う。
全てに於いて諦めろとは思わないが、
社会を維持するためには、
そして、未来の日本のためには、
何もかも200%安易に望むべきではない。
実際、
在宅療養を諦めたケースの中には、
しっかりとした治療方針の元、
(しっかりと人生会議の様な事に向き合いながら)
ダウンサイジングすることで
諦める必要のない在宅療養が存在している
ことを知っていなければならない。
ちょうどいい塩梅に、
医療依存度をダウンサイジングすることにこそ、
在宅医はもっとエネルギーをかけるべきだ。
介護依存度はいくら高くても在宅療養は可能である。
それは、介護業界の努力の賜物だと思う。
今後さらに、医療依存度のダウンサイジングは必須であり、
この努力が医療業界に於いて、まだまだ足りてない気がしてならない。
しつこく言う。
介護の世界は日々シビアに努力している。
医療の世界も胡座をかいている場合ではないのではないか。
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