家で過ごしたい!という思いが、入院先の先生や看護師さんの気持ちを動かしました。
「センセイ、私は家族とも話してこれからのこと、覚悟ができています」
退院の日、お家で話されたのがこの言葉からでした。
この言葉に胸が熱くなりました。
ご主人と息子さんは一生懸命で、気が利いてとっても優しい。
アイスクリームとか食べやすいかなと話していたら、
息子さんが早速買いに行かれ、
「これ、買ってきたから」と、おいしそうなハーゲンダッツ!
「あら、ありがとう!」
お母さんへの気持ち、伝わりましたね。
ご主人は、「みかんジュース、作ろうか?」
たとえ少しでも、口からはいるものは一番の栄養です。
あったかい家族に囲まれ、そろそろ帰ろうかなというとき、
うちのセンセイがあったかい手でギュッと握りながら、
「一緒にがんばりましょう!」と一言!
「センセイにそういってもらえたら、なんだか元気がでてきたわ!」
「私、がんばります!」
とひときわ明るい声!
ご本人だけでなく、ご主人と息子さんの笑顔もでてきました。
家で過ごされた時間は、数日でしたが、
いつも穏やかに微笑んで、握手をされるのは、最期の日まで続きました。