うん

二人には、長い長い歴史がある。

いろいろなことがあっただろう。

 

今こうして、二人は、一緒に、

ALSという病気と向き合っている。

 

生きていると避けられない苦しみに遭遇する。

そんな時、二人できっと手を取り合って

乗り越えて来られたのだろう。

 

今度も、乗り越えて欲しい。

僕は、力不足で、傍に居ることしかできない。

二人が思い描く在宅医療には正直、追いつけない。

傍に居ることしかできない僕を許して欲しい。

僕は、ただただ祈るばかりだ。

 

そんな思いで、担当者会議に臨んだ。

 

 

もしそうなって、先生の言う、検死になっても、

私はいいんです。私たちは、それでいいんです。

ねえ、パパ、そうでしょう?

 

気管切開チューブで声を出せない彼は、

話のすべてを飲み込んで、もうわかってるよ、大丈夫だよと

言っているように涙を流して「うん」って頷かれた。

 

 

ACPや人生会議は、酷である。

配慮を重ね、状況に合わせ伝える努力をしていても、

『死』に、関する話は避けて通れない。

それでも、伝えなければいけないことがある。

 

在宅医療は、決して、病院医療にはなり得ない。

救急車より、絶対に先には、届かない。

 

このことが、『死』と、直結することも、

正直あり得る現実を知っていて欲しい。

 

力不足な僕を、許して欲しい。

 

 

今日は、5月19日。僕の大切な日。

このお二人を見て、素敵だなあ。

って、思えて、浮かんだ曲。

良かったら聴いてください。

 

 

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