その延命治療って、今、希望しておられるんでしょうか?
鼻からする人工呼吸器を、1日の半分使っておられた。
病院の主治医の先生によると、救急搬送された時から、
まずは、一旦、救命処置が行われたそうだ。
そう、これが、延命治療の開始だ。
日中は、酸素投与のみで、夜間、鼻からの人工呼吸器を装着している。
今日は、退院前の大切なカンファレンス。
訪問看護師さんや訪問介護士さん、
もちろん、ケアマネさんも居て、
地域連携室看護師さんと病棟看護師さんと
娘さん達と、携帯電話で参加のお孫さん、
主治医の先生と、僕とうちの保健師と、
在宅ケアの方法の確認が行われた。
先生、他に何かありますか?
って最後に振られたので、おもむろに、
質問をさせていただいた。
延命治療は希望されず、とありますが、
鼻からの人工呼吸器も延命治療の一つです。
実際には、おじいさんは、ご希望されておられるのですか?
娘さんや、孫の女医さんが、おじいさんのご希望を代弁された。
管とか、機械とかで、生き延びることはしたくない。
こうはっきりと、以前から、ご家族に話されていたそうだ。
では、答えはもうハッキリしている。
非開始と中止。中止ではなく開始に非ず、と考えて、人工呼吸器を外し、
水分の末梢輸液も、中止ではなく開始に非ず、と考えて、点滴も無しで、
今すぐお家に帰ろう。もちろん、症状緩和は必須だ。そこはお任せを。
これって、巷に言う人生会議なんですよね((笑))
おじいさんの『お家にかえろう』のための人生会議。
やっと、娘さんたちは、笑顔になった。
おじいさんのザイタクに、光が指してきた。
なにより真っ先に準備すべきは、訪問入浴。
今日にでも搬入して欲しい介護用ベッド。
そして、ご本人ご家族に対するリスペクト。
もうこれだけ揃えば、絶対大丈夫。
週明け、在宅医療を志すお孫さんのお仕事の予定に合わせ、
退院されることになった。僕が20年前そうであったように、
大切な祖父母から、多くを学んでほしいと願っている。
誰も知らない涙の跡。
やっぱり、譲れないものがある。
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