先生、もうね、良いのよ、私のことなんかは。
病院行って検査して病気見つけてもらっても治療なんてしないわよ。
だって、そうでしょ、お父さんもう逝ってしまったのよ。
私がここに長く居る必要なんて、これっぽっちもないんだから、、、、
彼女は、そう言って口をギュッて結んだ。
お母さん、ちょっとお父さんにチンさせてよ。
彼女にそう言って、僕は遺影の前のお鈴を鳴らす。
ありがとう、お願いするわ。
お父さんね、なんにも喋んないから寂しいのよ。
チンチンチーンってする横で、お母さんが話し始める。
あのね、私、やっぱり先が良かったの。一日でも先が良かった。
四十九日が、こんなに長いなんて思ってなかったわ。
お父さんね、ほんと、私が最期ちゃんとしてやれなかったから、
なんかすごく悲しくて、ほらあの写真、こっち見るでしょ。
でもなんにも話してくれないのよ。涙が溢れてくるんやけど、、、
涙見せたら、良くしてくれる娘に申し訳ないでしょ、、、
先生の前で泣いちゃって、、ごめんなさい、ごめんなさい、、
もう泣かないようにするけど、私の病院のことなんてどうでもいいのよ、、
もうあっちの世界に逝きたいわ。お父さんどうしてすぐ迎えに来てくれないのかしら、、、
ひとしきり一緒に涙を流し、お父さんの思い出話をした。
お父さんが生きてた時はあんなに診療拒否だったお母さん。
帰りがけに、こんな事を言ってくれた。
先生、また来て頂戴ね。私、お父さんのお話がしたいの。
僕らザイタク医は、お看取りのために働いてはいない。
どこまで行っても、生きていくことを支えたい。
また来ますね。お父さんにも会いに来ますね。
そう言って家を出た。いい仕事してるでしょ、俺。自画自賛((笑))
今日は、同級生がなんでも相談所に来てくれた。
何となくこの曲が聴きたくなった((笑))
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