美味しい、、、
肝臓の終末期の症状で、肝性脳症というのがある。
声をかけなければボーってしてる状態で、黄色いが、
眉間のシワはないので、穏やかに寝ていられる。
先生、化学療法は駄目なんわかるんです。
新薬とか、漢方とか、なんかお薬ないですか?
大切な人がいよいよの時を迎えている。
ご家族の必死の願いに応える術は、医療にはない。
黙って、頷いて、ご本人やご家族の言葉を伺うも、
僕の武器であるはずの医療には、何も救えない。
娘さんがそこへ冷たいアイスを運んでくる。
お母さん、一口一口ゆっくり食べて。
彼女の飲み込みや娘さんの介助の方法を
より良い方へ少しリハ的助言をして、
ご本人の様子を観察する。
冷蔵庫にスイカもあるよ。と息子さん。
ご主人が急いで冷蔵庫へ。そして、
一皿に2センチの立方体に丁寧に切ったスイカが10切れくらい。
お父さん小さくゆっくりよ。と娘さん。
お父さんは、鼻水と涙でグシャグシャになりながら、
一つ一つ、スイカを愛する妻の口に運ぶ。
僕もちょっとだけ、サイコロジカルヴィクトリーな言葉がけ。
ご本人に、大好きなお父さんのスイカ、美味しい?
大きく頷き、満面の笑みを浮かべ、
黄色にポッと紅さが増して、冒頭の言葉だ。
美味しい、、、
ご本人もご家族みんなも、必死に、涙を堪える。
こんな大切な優しい時間には、
涙やなくて笑顔が似合うんだとばかりに。
お家で暮らすということ。これにまさる薬はない。
今日も素晴らしいザイタクを見せて頂いた。
今日はこんな素敵な歌。良かったら聴いてください。
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