先生、もう頼むから死なせてくれ。
こんなに苦しいのはもういやや。
痛いんとかそんなんやないんや。
もう役目終わったんや。終わりにしたいんや。
日曜日の朝、普段お世話する同居の息子さんが
仕事で出るタイミングを見計らって電話をかけてこられた。
訪問しに来てほしいとは言われてないが、
流石に、死にたい、って言われるとほっとけない。
とりあえず、ワシが死にたい気持ちを
先生に知っておいて欲しくて、電話しただけや。
日曜日の朝にすまんことでした、、、、、
ひとしきり苦しい胸の内を話されて電話を切っていかれたが、
おせっかい焼きの僕は、ぼちぼち用意して患家へ向かった。
なんや先生、来てくれたんか。ありがとな。
こう言っていつもの駐車場内にこの春から作り始めた畑に向かう。
先生、もう殺してえなあ、頼むわ。
先生な、世の中、制癌剤ばっかり開発して、
なんで安楽死のお薬と法律作られへんのや?
医者が何人か集まって、お前はもう死んでええぞ。って、決めて、
スーッと寝たら死ねるお薬飲ませてくれたら良いやんか。
もう何の役にも立たんワシなんかが生きてる意味ないわ。
生きてる意味ない、思うんやなあ。
死にたいんやなあ。僕に殺してほしいんやなあ。
こう相槌を打つと、メダカに餌やりしながら、お父さんは続ける。
そやけどな、ワシ死んだらコイツらも死んでしまうわなあ、、、
死ぬ言うてもなあ、嫁はんの時みたいにここでは無理やろ?
嫁はんの時は、ワシがおったさかいにな、そやけど、ワシには誰もおらんやろ。
どないしたらええんや。もう今やったら、息子の前で死ねるやろ。
そやけど、息子も自分の仕事あるしズーッとは迷惑かけれん。
こうやってずっと仕事休んでワシのとこおるわけにいかんはずや。
実際、ワシが一人になったら、ここでは死ねんやろ?どうなんや先生。
あーここで死ねへん思うてるんやな。そうかあ。
そやけど、ここでも死ねるで、安楽死やなくても。
そうなんか、、、この駐車場の畑の横でホンマは死にたいんや。
ここで倒れて死んでるのが一番ええねん。そんなんでも逝けるんか?
あーお父ちゃん、大丈夫や。僕が見に来るから大丈夫や。
もう死にたいって、今朝は、どうしようもなくなって、
思い立って先生電話したんやけどな、なんか、
話聴いてもらって、ほんま、スーッとしてきたわ。
昨日な、竹藪行ってな、スイカを育てる竹棚を作ろう思うてな、
そしたら、息子とヘルパーさんにな、メッチャ怒られたんや。
そんなとこ勝手に一人で行ってきたらあかんって。
ほんで、心がな、ポキッてな、音して折れたんや。
そうなったらな、、、どうしようもなくなって、、、、
もう死にたいって思ったんや、、、、、、
急に涙がポロポロと、彼の目から溢れ出た。
最近、僕もポキポキやったから、思わずもらい泣きしかけた((笑))
先生、安楽死、頼みたかったんやけどな、もう少し頑張ってみるわ。
ホンマありがとな。日曜やし、この話できる相手誰もおらへんのや。
先生、来てくれてよかった。ホンマ1分でええねん。
庭で死んどるかもやから、しょっちゅう覗いてくれやな、頼むわな。
先日のインスタライブで僕の尊敬する太田先生が言っていた。
安楽死に関われるだけのコミュニケーション能力が
医者にあれば、決して安楽死など必要ない。
僕も同感だ。慈仁心鏡の精神でいつもありたい。
僕も頑張ろう。今日もザイタクは素敵だった。
裏腹な心たちが見えた。良かったら聴いてください。
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