先生、私がアカンくなる前に、いっぺん一緒に呑もうよ。
同い年の彼女がそう言って、彼女の親友らがいつものお店で、
集まり、彼女と彼女のお医者である僕との飲み会を開いてくれた。
鶏軟骨唐揚やキュウリの酢の物、豚平焼き、
キャベツサラダ、イカ焼き、シメのチャーハン、
そして、生中、ハイボール濃いめ、梅酒ロック、
さらには、彼女らが大好きなタバコ。
煙と熱気と愛と涙の溢れた素敵な飲み会だった。
彼女はとても優しいし人間として魅力的で素晴らしい。
もちろんその親友たちもすごくすごく人間として素敵。
彼女の病気を心配しながらも、必死に笑顔で、
この一期一会の会を、楽しんでいた。
一番KYな医者の僕は、彼女に訊いた。
「病気して、やっぱ時々、泣いてきたん?」
彼女は、ホンマ先生、KYやなあって顔で、
それでも真剣にコチラを見て答えてくれた。
「誰にも涙見せへんけどな、普通の女として、
将来を語られへんやん、先が見えないんやから。
息子の結婚式や孫の顔、見れへんやろ、わたしは。
そんな時、グーってな、涙が込み上げてくるねん。
先生、飲み会では悲しい話は無しやで。ホンマKYやわ。」
そう言って、笑い飛ばす彼女の目には、ちょっとキラって、、、。
その後、二次会のスナックでは、苦手な煙モクモクやったけど、
皆さんが歌う歌はどれも素敵で、煙でなのかはシランケド、
彼女の隣にチョコんって座って聴いてたどの歌も涙が出そうだった。
僕ら医者は人生会議を間違えてる気がする。
僕ら医療者がするんじゃなくて、
彼女らはもうとっくに自分たちで
自分たちの人生を語り明かしている。
僕らがすべきは、彼女らの想いを、ちゃんと、
ほんとにちゃんと、聞くことだと思った。
とっても素敵な『スナック会議』の時間だった。
こんな日のタバコの匂いは、苦くて切なかった。
そうそう、この、とっても大切な、人生会議やなくて『スナック会議』のために
自分のリカバリーも、ちゃんとしてから臨んだのは言うまでもない((笑))
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