『看取り』の文化は、誰のもの?

果たして、看取りの文化は、誰のものだろう?

 

1975年前後(タナカは1974年生まれ)で、

病院での『看取り』が自宅での『看取り』を上回り、

今では、病院で8割、自宅で1割強、となっている。

 

国の調べだが、国民が最期を迎えたい場所は

3割弱の方が病院、5割強の方が自宅と希望されている。

 

つまりリビングウィルでは、

5割がお家なのに、1割の現実。

2人一人は、お家で最期を迎えたいのに、

10人に一人しか夢がかなっていない。

 

この乖離は、どこに原因があるのだろう。

 

様々な要因はあるが、僕はこう考えている。

 

『死』や『看取り』の人間にとってとても大切な文化を、

自分たちの居場所から手放してしまってはいないだろうか!?

 

この素晴らしい文化。

人が大切な人を大切にお送りするという文化。

この『看取り』の文化を、もしかして、

病院に委ねてしまって、もしかして、

怖いとか大変だとかなんとかで、

無関心になってはいないだろうか?

 

手塚治虫漫画「ブラックジャック」は、

週刊少年チャンピオンに1973年から連載。

 

祖母の在宅看取り、祖父の病院での看取り。

そして、両親の家での孤独死を振り返っている。

両親の、祖父母への関わりも思い出してみている。

弟の、祖父母両親への関わりの希薄さも思い出してみてる。

そして、医者になった自分はどうだっただろう、、、、

医者の僕も、家族同様、『死』や『看取り』は知らなかった。

 

在宅療養支援診療所を開業したおかげで、

多くの方の『死』や『看取り』に関わらせていただく事ができた。

毎回毎回学んでいる。今も尚、答えなんかは出ていない。

ただ一つだけ言えるのは、すべての方から学びがあるという事。

 

丁度来年で僕は50歳になる。

50年前、僕ら日本人は『死』を病院に預け

遠ざけ、もしかすると無関心になったのではないか。

 

今、『看取り』を次世代に伝えておきたくて、

『看取り』の場面では必ず聴診器で若者に

止まり逝く『心音』を聴いていただいている。

 

若者が成人になり、

この国を支える時、

自分達の『看取り』文化を

取り戻していることを夢見ている。

 

旅立つ方の物語は、それぞれの方の胸の中で続く。

『看取り』も大切な方の物語の一部だと思う。

 

今日はリカバリーがまだまだ足りなくて、

訪問の仕事時間以外は、ソファでずっと寝ていた。

寝る時はこの曲が心地よい。良かったら聴いてください。

 

 

 

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