ステイゴールド

残念だけど、お別れの時は、必ずやってくる。

 

今年の2月にお家に帰られた時には、

もうその日は目の前だと覚悟をされた。

しかし、不思議だ。化学療法や放射線治療と

あの日あの時、お別れし、死をも覚悟され、

戻ってこられた住み慣れた我が家には、

治療などというものは、少しもないように、

ご本人、ご家族は思われていたのだが。

 

食べたいものにいろいろチャレンジしたり、

食べ物は通らないと言われた食道の病変があったとしても、

その為の胃瘻は作って帰ってきてたとしても、

大好きなうなぎやステーキをチョロチョロ食べたり、

時には、歯牙んだり、時には、舐めたりしながら。

大切な孫たちと回転寿司の外食にお出かけしたり。

釣りに出かけたりしてニコニコ外で遊んだり。

愛する妻の顔を見て、寝て、過ごしたり、

妻の介助の入浴やおトイレがあったり、

たまに下手でコケちゃったりもあったけど。

 

今日、奥さんが話してくれた。

 

先生、私達、本当に良い時間が持てました。

予後数ヶ月と言われたのが、もう半年。

この人が穏やかに、、、あとは、、、

苦しまず眠るように、、そう、、、、

そんな最期が来てほしいねって主人と話しているんです。

うまく逝けますでしょうか?

 

ご安心ください。

 

 

無駄な医療が殆ど入っていない彼の身体と心は、

週2回の訪問入浴のおかげもあって、とっても綺麗で穏やかだ。

 

医療は、時に、この最期を汚す。

この事を、僕らは知るべきだと、

この穏やかな時間に触れ、改めて思った。

 

献身的な奥さんの彼への愛。大切な人にステイゴールド。

この曲が頭に浮かんだ。良かったら聴いてください。

 

 

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