僕には太陽のような母だった。

小学校4年生。まだまだ塾通いなんて珍しい時代。

同級生でも、私学のお受験する友達は少なかった。

 

 

学校から帰ると、17時からの塾に行く。

友達は、作ると遊べないから、作れない。

駅近の塾までは、バスで30分かかる。

16時半のバスに間に合わせるために

母は自転車の後ろに僕を乗せて、バス停まで。

母との会話で、行きたくない塾へ向けて心を整える。

当時のお話相手は、母しか居なかった。

 

 

2コマの塾の授業が終わると、最終バスで帰ってくる。

いつもバス停で、母は自転車で待ってくれていた。

塾でへこんだ僕の心をいつだって、慰めてくれた。

バス停と家との、母との自転車の往復の時間。

誰にも邪魔されない母との大切な時間だった。

 

 

その自転車で母はいつも僕に話してくれた。

 

「あなたは、ゆっくりで良いのよ。大器晩成よ。」

 

なぜか、今思えば、僕に話すことが、大好きな祖母と一緒だった。

大好きな祖母の一人娘だった母も、僕に『大器晩成』を諭した。

 

 

さあ、そろそろ晩成なら、50歳目前。良い頃だ。

大器かはわかんないけど、やってみよう((笑))

 

目の前のチャンスは、素敵な仲間の皆さんのお陰。

大切に、丁寧に、大きく包んで、前に進もう。

 

大丈夫。感謝・謙虚・笑顔を忘れるな。

 

母はいつも僕にとって太陽のような人だった。

 

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