深夜に電話。向かう途中、ラジオから流れてきたのは、吉田拓郎の「家へ帰ろう」
前日、家に帰ってきてよかったという話をゆっくりしたばかり・・・・。
「家に帰りたい」
話すことができないので、筆談と素敵な笑顔で会話。
退院された翌日、奥さんがさらりと話されたこの言葉、
「朝から2人で近所をぐるっと散歩してきたしね」
「えっ!うそ!本当に!すごい!」
なかなか、退院翌日に散歩されるご夫婦は少ない。心があったかくなる感動。
いつもは、うちのセンセイが散歩にいってみたら・・・と話しても
いえいえ、まだ危ないから、ご近所に出会うのも・・・と外に出られない方が多いから。
「家に帰ってきてよかったね」
これまでのライフヒストリーを十分に知らないまま、旅立ちの日を迎えました。
旅立ちの日に、奥さんや息子さんが笑ったり泣いたりしながら語られるライフヒストリー。
「センセイ、見て!祭に行く衣装なの!」
「ほら、笛も持たせたのよ!」
お祭りが大好きで、引っ越してきたこの土地にお祭を復活させた立役者。
今年こそ、行きたかったはず・・・。
この時間、いつも感じる家族の思い。
奥さんが話してくれました。
「昨日からしんどいとき、私の手をずっと握るのよ。
結婚してから、新婚時代もこんなに手を握らなかったのに・・・この人ったら・・・」
さすが!
仲のいいご夫婦のお話に思わず、息子さんたちと笑顔に。
「家に帰りたい、家でいたいってずっと言っていたから、これでよかったかな、センセイ。」
センセイの大きなうなずきに、泣き笑いのご家族の顔。
深夜のあったかい旅立ちのとき。
行くときに聞いた歌のフレーズが思い出されました。
~会いたい人の笑顔が 呼びかけてくる
思い出たちが 止まることなく浮かぶ
今僕は何を我慢しているんだろう
誰のため 心乱しているんだろう
そう 家へ帰ろう 家へ帰ろう
この道をまっすぐ家へ帰ろう
家へ帰ろう 家へ帰ろう
この道をまっすぐ家へ帰ろう~