先生、わしな、もうお迎え来てええ思うてんねん。
そう話す彼の言葉に、裏腹な気持ちが見えたので、
退院日に来たクラウンで、一緒に花見の下見に行こうと、
ちょっと強引に連れ出した。
車の運転は、内服薬の関係で、
タナカが代行運転をしたのだが、
桜の蕾の確認を終え、帰りの車中で、
「先生、ホンマ嬉しかった。ありがとう。
桜咲くまで、頑張ってみようと思うわ。」
こう話された彼の顔は、穏やかで優しかった。
お酒の飲めない彼は、家に戻って、
みんなで、コーラで乾杯した。
今度はお花見会場で!!!
命の炎を高くかざして道を照らせ。
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