精神疾患はむごいな、先生。
こんな人生になる思わんかった。
ワシのことわかってる思うねん。
この前のな、この写真見たってや。
大人しそうに、チョコンって、な、
座っているやろ、どうやろ？あかんか？
そうやな、あかんな、、、わかっとる、、
家で暮らすんはもうアカンわかっとる、、、
大切でずっと一緒だった奥さんが心の病を患った。
彼女が彼女で居られない時間が時々あって。
そんな非日常が、いつしか日常になっていった。
そして、二人の体力も年齢とともに低下。
ある日、暴力の形となって、二人の在宅は終わった。
それでも、それぞれの暮らしは続いていて、
二人の人生も終わらない。終われない。
先生、デイのカラオケは楽しいんや。
そう話すお父さんの選ぶ歌は決まって、夫婦愛の歌。
これからも彼らの想いを話してもらえる、
そんなザイタクチームであれますように。
縁側で看護師とお父さんがカラオケしてるのを傍で聴きながら、
そんなことを僕は思った。その横を仲良く見える二匹の燕が飛んでいた。
溢れ出す涙 拭う頃 君はもう見えない 想う言葉は”ありがとう”
傷つけ合っては 何度も笑い合えたこと 絆を胸に秘め 僕も歩き出す
お父さんの気持ちを歌ってるようです。良かったら聴いて下さい。
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