お看取りがあると死亡診断書を記載し発行する。
医者の仕事の中でも、かなり大切な仕事だ。
この国で死亡診断できるのは、医師のみだ。
人間も動物なので、動物が死んだ時同様、呼吸が止まって、
動かなくなったら、死んでるのは、ほぼほぼ誰でもわかる。
そんなこんなだけど、死亡診断は医師の大切な仕事。
昨日旅立たれた80歳の女性。夫と二人暮らし。
肝臓の状態が終末期と診断され、一年が過ぎた。
夫の介護で、最期までお家で暮らせるのか、
これが病院のご紹介時からの心配事だった。
中核病院の先生と並診して頂いた。
「病院専門外来や入院」と「在宅医療」。
男性介護者で、妻の事に一生懸命な、
彼には、この並診が非常に良かった。
専門医の専門的な検査や説明等々、理屈っぽい彼にはやっぱり大切だったし、
80歳を越えた男性が女性の排泄介助等について訊く相手にタナカは最適だった。
1ヵ月で最期が来ると思っていた彼女の病気も
家に居ることや夫の介護がそうさせたのだろうけど、
1年も急激な変化なく、ほとんどの日が穏やかだった。
そんな彼女、昨日深夜に、夫のおトイレ介助で、
おトイレの時、いつもと違って動けなくなって、
深夜、緊急訪問看護対応した。
しばらく対応処置してベッドでお休みになられた。
その日の午前中、訪問診療に副院長がうかがった。
夫はベッド上で、妻の浮腫んだ足をマッサージしていた。
お越しの先生を玄関にお迎えに出た後、ベッドに戻ると、
彼女にその時が来ていた。とても穏やかなお顔だったそうだ。
その場で、副院長は死亡診断を行い、診断書を発行した。
夕方、僕もご挨拶に伺った。お父さんが玄関まで迎えに出てくれて、
「田中先生ありがとう。こうして大切な妻を見送ってやれたよ。
僕の妻の寝顔、どうですか?何よりも美しいでしょう!!」
大切な人を送ったお父さんは涙目だったけどどこか誇らしげであった。
男性介護者であっても、
超高齢であっても、
いよいよが迫っていたとしても、
そこに『愛』があれば、大丈夫。
素敵な奥さんが最期まで輝いていたのは
素敵なお父さんが介護したからだと思った。
「花よりも花を咲かせる土になれ」
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