未来はみないで、今を変えよう。

ここにね、おとさんのね、写真入れてね。そしたらさ、

シンゾウさ、すーってね、止まるといいね、ってね、

天国のおとさんにね、お迎えお願いしてたとこ。

 

訪問すると、服の中、胸のあたりに、

先に旅立ったご主人のお写真。

それを見せながら、お話しされた。

 

心不全で、94歳のヒロコさん。

昨年秋に心不全が増悪し入院治療。

息子さんのご自宅になんとか帰れた。

 

その際、今までなら、在宅医療、特に、訪問診療医の準備無しで、

訪問看護ステーションの指示を、安易に病院のドクターからもらい、

退院調整してしまうことが多かったが、、、、、

 

 

 

 

三田・北神心不全ネットワークが機能し始め、患者さんのリビングウィルや人生会議、

アドバンスケアプランニング等々に、多くの方が真剣に向き合うようになってきた事もあり、

『地域包括ケアシステムをちゃんと動かす』、この出来そうで出来てなかった、この事を、

具体的には、タイムリーに病状変化に合わせ在宅訪問等対応出来る医師を導入し、

ちゃんと、訪問看護ステーション看護師個々と協働する。これが出来てきた❣❣❣

 

 

簡単に書くとこうだ。

 

『病院医師』からではなく『在宅医師』からの訪問看護指示。

この、最も当たり前な、基本的な形に、した。

 

そのおかげで、今日ご自宅からお電話があった際の対応が上手くいった。

 

先生、母が胸を苦しがってるんです。

救急車でしょうか?どうしましょう?

 

ちょっと、待っててね。診に伺います。

 

そして、冒頭の言葉だ。

 

聴診等して、心臓の状態を確認。不整脈が出ていた。

病院医師と退院時に打ち合わせしてた対応方法で、

午後、安静にして様子を見ていただいた。念のため、

夕方、再度訪問。不整脈もだいぶ落ち着いていた。

 

 

おとさんのね、写真も良かったんだけどね、

そこにね、センセが来てくれなさって、

そしたら、気持ちがね、さーって、ね。

肩の力抜けてね、楽になったのね。ありがとね。

朝の胸の苦しいのおさまった。良かった良かった。

ヨーコちゃん(お嫁さん)、リンゴさ、ねが?

食べるんじゃないのよ。センセに上げるんね。

 

 

この地域では、訪問看護指示書が中核病院の医師から出されているのを、まだ見る。

家で何かあった時、訪問看護師は病院の医師に、指示を仰がなければならない。

 

『暮らし』を診れない(能力がないのではなく現実的に家を見に行けない)病院の医師からの指示では、

患者さんの意思決定を混乱させる。時に、ご自身の意に反した治療の選択が行われてしまうこともある。

感染症でいまだに分断されている地域医療連携。その狭間に落ち込むと、二度と戻れない可能性もある社会。。。。

 

今こそ、在宅医療に関して、ちゃんと整備しよう。

目先の利益にとらわれない地域医療連携を構築しよう。

狭間に落ちても、救い出せる唯一の存在、『在宅医療』。

ここにかかわる医療者のモラルが今まさに問われている。

 

未来の日本を憂いてるが、そんな暇はない。

未来はみないで、現実をみよう。

 

 

 

成人の日。94歳のヒロコさんは仰った。

 

ワタシね、もう成人式5回目くらいやけど、

こんなに大人になっても、今日もこんなに、

人様にこうしてご迷惑をおかけしてしまう。

先生が来てくれてお話ししてくれる。もったいない。

でも、病院行かんでも、心臓ドキドキ苦しかったの、

なんでか、治まったあぁ~~。ありがとございます。

おとさんのお迎え、もうちょっとあとでエエ((笑))。

 

また明日、お逢いしましょう。

 

ヒロコさんが玄関まで送ろうとされたので、

そのまま休んどいて!と伝え足早に家を出た。

 

 

未来はみないで、今を変えよう。

良かったら聴いてください。

 

 

 

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