ねがわくば花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月のころ

週一回のお一人暮らしのアツ子さん。

心臓と肺の終末期でゆっくり話される。

 

60歳で再婚したご主人は今は認知症。

施設で暮らす彼より先には逝けないと、

毎回話されるがもう一つ願い事があった。

 

 

息子にね、棺桶にもう両足突っ込んどるねんし、

後はな、蓋を閉めるだけやねんから、今のうちに、

やりたいことあるんやったら言えよって言われてて。

その頼み事、一日休みとって私に付き合ってくれるって。

 

その頼み事ね、今生の別れ、兄上にね、しに行きたくて。

兄にはね、ここまでこうして生きてこれたのはね兄のおかげ。

これをどうしても最後に伝えておきたくてね。隣町だけど。

もう今回逢いに行ったのが、今生の別れになると思うのよ。。。

 

一昨日ね、息子が自動車で連れて行ってくれたの。

近くの妹も一緒にね、来てくれて。外で食べたり、

作ったりは、ちょっと大変だからね、豚まんと餃子。

それで、3人で、兄の住むお家でお茶をしてきたわ。

 

楽しかったわ。本当にたくさん笑ったの。でね、帰りにね。

マンションのお部屋の玄関でね、兄、ずーっと、見送ってて。

こっちに手を振ってね、振り返る度に、手を振ってね、、、

エレベータに乗るまで、ずーっとよ、振り返ると手を、、、。

涙がぽろぽろ、エレベータの中で妹と二人ね泣いちゃったの。

 

 

でね、妹にね、この句、伝えたのよ。

兄上と、今生の別れも出来たわけだし、あとは、

棺桶の蓋を閉めるタイミングだけなんだけど、

あとは主人次第なのよね。だからね、このきさらぎね、

来月じゃないわよ、先生。わかってるでしょ⁈

5年後のきさらぎでお願いするわ((笑))。

 

今週のアツ子さんも素敵だった。

これって人生会議なのかなああ。

 

この句にちなんで、Sakura。

良かったら聴いてください。

 

 

 

毎日読んでいただき感謝申し上げます。

良かったら、2つ共に、一日一回、

クリック!!!よろしくお願いします。

 

 

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
にほんブログ村

 

 


人気ブログランキング

 

 

たなかホームケアクリニックYOUTUBEチャンネル登録よろしくお願いします。