16年在宅医療に関わった僕の浅い経験だが、
「死の壁」は誰にでもあって、そこを越えた時、
不思議なくらい穏やかな時間が訪れる。

今日だって不思議な空間をご一緒させて頂けた。
2週くらい前から、心不全の状態が悪化し、
危険な不整脈が出現。心拍が150回程度。
病院の専門医とも相談したが医療は無力で、
様子観察以外に方法はなかった。
いよいよの変化が出始め血圧も低下傾向。
徐々に心拍数も減少。その時に近づいた。
呼吸困難感や胸痛の訴えが出始めた昨日、
症状緩和のための内服を調整したのだが、、

僕の目の前で緩和のお薬飲んだっきり、、その一回のみ。
症状緩和のお薬無しで昨日から今日まで過ごされていた。
先生、あの、、、先生がご準備頂いたこの薬、
あの時、、飲んだっきり、飲んでないんです。
それでも、こんな感じで、時々、譫言みたいに、
聴き取れないことも言ったりはしてますが、、、
その後ス~って寝ちゃうんです。お薬のせい?
お薬の内服をしたのは、昨日午前中。
もうとっくにお薬の効果は切れている。
では、彼の今を作り出しているのは、なに?

先生、昨夕から、主人がとても可愛がって育てた長女が、
お仕事をリモートワークにして山陰から駆けつけてくれて、
今日のお昼には、もう一人の娘次女も、来てくれます。
同居の息子夫婦も良くやってくれてます。みんなが、
主人の事でこうやって集まってくれて私も嬉しくって。
ご家族が、心不全でいよいよのご主人を囲み、
アレヤコレヤと甲斐甲斐しく介護されるお姿は、
まるで、ここがもうすでに『極楽浄土』かと思えるくらい、
美しいご家族の時間だった。そして、とても穏やかだった。

医療は、マスクやワクチンや薬ではない。
医療は、ご家族の中にある『愛』だと思う。
この家族の風景はまさに『極楽浄土』だった。
どうか最期まで穏やかでありますように。
良かったら聴いてください。
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