先生、あんたな、次のとこ行ってな、
私の話するんやろ？もうな、ホンマ、
こんなにもオモロイ人生な、ええよ、話してきて。
みんな楽しいし、喜ぶやろうから、ええよ。
午前中、午後からの訪問入浴に向けて、
腹臥位療法と端坐位訓練に挑戦した。
背骨の病気で、日常生活全般に支障があり、
ハッキリ言うと全介助状態。両下肢麻痺。
残された時間もあまり無いと病院の医者からの宣告。
孫の桜とご主人の仏壇に挨拶せずには旅立てないと、
人生を一緒に生き抜いてきた娘さんと決死の覚悟で、
ザイタクを始めたのが、昨日のこと。
昨日は帰宅と同時にリフトでティルト車椅子。
大切に育てた二人のお孫さんとお花見写真会。
今日午前中、午後の入浴介助時、
膝の痛みが出ないように準備運動。
膝の可動域訓練と、寝返り訓練、
そして、端坐位までやってのけた。
昨夜、娘とお布団を並べ寝てる時、
興奮で寝れずこんな話をされたそうだ。
私の為に、こんなにも皆さんが集まってくれて、
私の為に、こんなにもいろいろ考えてくれて、
私の為に、こんなにも時間を割いて助けてくれる。
こんなにも幸せなことはない。涙涙涙。と。
その彼女が、僕との訓練の時に、話してくれた。
先生、聴いて。こっちに来て。顔コッチ。
あのね、私ね、夢見たんよ。なんや思う？
ベッドから降りてね、歩く夢。ホンマよ。
彼女のお顔は、輝いていた。
これがサイコロジカルヴィクトリー。
さあ、本気で、スパルタザイタク。
たとえ三途の川が近くても、
きっと、陽はまた昇るから。
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