こんな僕でもやれることがある。

先生あんな、もうええんや。ほんまに。

終わりにしてくれ。安楽死させてくれ。

 

シャックリが一晩中続いてて、結局一晩寝れずだったけど、、

気になりちょっと寄った姉には、先生には電話せんでええ。

このまま寝てたら、きっとお迎え来るやろうから。って。

お姉さまから電話でこっそりご連絡いただき、駆けつけた。

 

膀胱がんで全身転移。70歳代でお一人暮らしの彼は、

今流行りの綺麗な高齢者住宅にこの度移り住んでこられた。

施設内サービスの味気無さを嫌い、僕らにご依頼があった。

 

冒頭の言葉を話されたのが、土曜の朝。

なんにしても、症状緩和を優先させた。

 

で、日曜日の今日も訪問させて頂くと、

とっても穏やかな表情で、先生、これやこれ。

ご自身が思い描く人生最期のシーンがあって、

顔も知らん味気ない時間毎のサービスやなくて、

おばさん看護師や先生みたいな髭のクマ医者で、

人間らしく泥臭い付き合いがええんや。って、

彼はゆっくり今までの人生の話を始められた。

 

丁度先生くらいの年からな、俺な、物書き始めたんや。

帰化してるけどな、祖国の小説書いて50ページくらいな、

ほんでな、死ぬまでにこれを親友にことづけてな、

舞台演劇にしてもらう約束なんや。そいつが今週逢いに来る。

渡し終えたら、もうホンマ終わりにしたいんや。

せやけど、ホンマ、昨日からな、お薬が効いてな。

これやこれ。思い描いてた通りや。最期まで頼むな、先生。

 

そう言って、彼から先に握手を求められた。

 

 

人は話したい人に話をする。

そして、欲しいのは頑張れやなく、

ただただ人生の話を聴いて欲しい。

 

その彼が僕に、先生時間ないかもやけど、

物書きになってみたらどうや。って提案してくれた。

 

ベッドサイドに置いてあった50ページの長編小説。

『麗しのマリリン』 Kim Jeongeun 著

 

少し読ませて頂いた。迫力のある物語だった。

僕も、ザイタク物語、そろそろ書きたい。

 

良かったら聴いてください。

 

 

 

毎日読んでいただき感謝申し上げます。

良かったら、2つ共に、一日一回、

クリック!!!よろしくお願いします。

 

 

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
にほんブログ村

 

 


人気ブログランキング

 

 

たなかホームケアクリニックYOUTUBEチャンネル登録よろしくお願いします。