退院された日、僕らは必ず訪問に伺う。
入院前と日常生活動作が変わってることが多い。
出来ること、出来ないこと、ちゃんと確認する。
退院日当日のこの確認は、ここから、
ザイタクを始めていく為に、必須だ。
基本動作を、絶対に確認する。基本動作は6動作。
寝返り・起き上がり・座位・立ち上がり・立位・歩行。

今日帰ってこられた腎臓癌の80歳手前の患者さん。
畑が大好きで、炎天下、畑で倒れ、入院となった。
病院の申し送りによると、全身状態は良くなく、
続く咳嗽と呼吸困難感で、在宅酸素療法が必要で、
ほぼ寝たきりの状態。日常生活動作全般に介助要。
嚥下機能も良くはなく、経口摂取困難で点滴もあった。

上記の基本動作を、早速、評価していく。
お父さん、こっちにいっぺん寝返ってよ。
大体これで、嚥下機能までわかる。
先生、帰ってきたところやねんから、
もう少し休ませてえなあ、、、
休んだらな、あとでやるさかいに、、、
大体最初こんな風に抵抗にあうのだが、あれやこれやと、
ベッドのリモコンで、ベッドの角度や高さを微妙に変えて、
上手くできるよう、誘導していく。
寝返りから起き上がり、座位まで、
お父さんは負けん気を出してやってしまった。
傍で見ておられた奥さんは、とっても嬉しそう。

先生、上手に動かそうとしてるんは、
バレバレやで。もう今日はここまでや。
そう話されながら、基本動作の自立が見えてきた。
こうなれば、たいていの場合、嚥下機能は問題ない。
ではなぜ彼は、嚥下機能低下と評価されてしまったのか。
基本動作を評価した後の今なら、簡単に分かる。
そう、肺転移のがんによる呼吸困難症状だ。
だから、医療用麻薬を上手に使用し、緩和すればよい。
レスキューの使用を試してみて、
しっかりと、穏やかになられた。
今晩は、ちょっとのビールと上等の鰻で、退院祝いだ。
お父さんのこと、大好きな息子さんが買い出しに行かれた。

今日は、このあたりの事まで、順調に出来た。周りのみんなのおかげ。
なかでも、診療の傍にずっと付き合って福祉用具の手配に動いてくれたケアマネさん。
このケアマネさんとは久しぶりだったが、動きがとっても相性良くて、すごく助かった。
さあ、ザイタクが始まった。
彼のアイデンティティはここにある。
大切にしてきた畑を一緒に見に行きたい。
良かったら聴いてください。
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