これからも、夢のサイダーを。

先生あのね。私はまだ死ねないのよ。

私は死にたくないの。わかるでしょ。

 

いよいよが近い症状が出始めた。

医療用麻薬の量を増やす必要がある。

最悪に備え、最善に期待する時、

ご家族だけでなく、もちろん、

ご本人にそのことをお伝えした。

 

穏やかに、彼女は僕に話しかけられた。

 

先生あのね。私はまだ死ねないのよ。

私は死にたくないの。わかるでしょ。

だって、身体が不自由な娘を残して、

死ねるわけないじゃない。いったい、

ねえ、先生、誰が娘のお世話できるの?

 

それを傍で、母の手を握りながら、

聞いておられた長女さんの目から涙。

 

ダメよ、泣いちゃ。ね、それはダメ。

いつも笑っていなきゃ、ダメなのよ。

後ろに、ねえ、居るパパも泣いてるの?

え?泣いてないって((笑))。そう!

案外、パパは強いのね。ありがとう。

 

いよいよが近い彼女。

そのことを一番知っておられる。のに、、、

周りの家族に、心からの愛を届けておられる。

こんなにもユーモア溢れた愛を、一生懸命に。

 

 

娘さん、キリンレモンとかスプライトとか、

炭酸のものを飲んでもいいですよ。お好きなら。

喉スッキリ、シュワシュワって気持ちいいかも。

 

午後から、処方箋を持ってもう一度訪問した。

口から摂れるものが極端に減ってきておられる。

お好きな飲み物とか、何でも飲んでいいこと、

誤嚥した際には、しっかりとした側臥位を、

今朝涙されていた長女さんにお伝えしていると、

 

ひ、~と、つ、ふた~、、つ、みつや、、サイダ、、

 

肝性脳症が出始めている彼女が、急に、謳い出す。

 

先生、、あのね、、わたし、、三ツ矢サイダーが良い。

ひと~つ、ふた~つ、、三ツ矢サイダー、ボンボンボン❤

 

あ~~ママ、私その歌、良く歌ってたの知ってる。

 

ご本人が、ひと~つ、ふた~つ、三ツ矢サイダー❤

娘さんが、ボン❤ボン❤ボン❤ って続いた。

 

一気にその場が温かくなった。素敵だった。

僕も、救われた。ありがたかった。

 

ザイタクは、本当に美しい。そして素晴らしい。

 

医療者である僕が、お薬ではなかなか緩和出来ず、

困ってるのを知っておられるのか、支えて頂けた。

僕にさえもユーモアたっぷりな愛をお届けになられる。

 

ザイタクは双方向。一方通行なんかじゃない。

 

三ツ矢サイダーが飲みたくなった。

 

良かったら聴いてください。

 

 

 

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