先生、痛がっておられるのに、
なんにもしてないのどうしてですか?
時々、一緒にザイタクを支えるヘルパーさんに聞かれることがある。
痛みにはいろいろある。
身体の痛み、
がんの痛み、
骨や関節の痛み、
筋肉が痩せていく痛み、
身体を動かせない痛み、
そして、
なによりも、ココロの痛み。
痛みを和らげることが、緩和ケア。
薬だけではどうにもならない痛みも多い。
「薬なんか、ダイッキライ」と言われてしまうこともある。
特に、ココロが痛い時は。
そばに居て、話を聞き、体をさすり、
怖がらなくて大丈夫だよ、と伝える。
ひとりじゃないんだよ、と伝える。
こんなことしかできない。ことのほうが多い。
でも、今日は笑顔の彼女がいた。
薬も、鎮静薬も、なんにも使ってない。
彼女は、彼女らしくありたいと人一倍思いがある。
「E子さん、ご主人に出逢えて本当に良かったですね。
こんな優しいご主人、他にはいませんよ」とタナカ。
「僕は、彼女におこられてばっかりですけど」と照れくさそうなご主人。
この会話を聞いていた彼女は、笑ってくれた。
とっても誇らしげな彼女の笑顔が見れた。
言葉にはされなかったが、
「ワタシが選んだ人ですから!当然です」と話された気がした。
痛みをとるには、
その方の尊厳を保つことが
なにより大切だと思った。
玄関まで送っていただいたご主人の目には、
嬉し涙と寂し涙があったように思った。
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