頬を寄せ合って生きる。

「せんせい、頬を寄せておきました」

その時が近いことを感じた彼は、

こう電話で報告してくれた。

 

彼らご夫婦が家に帰るにあたり、

病院は、とても不安に感じていた。

そのときに向かって、介護できるのかしら。

彼女は大丈夫かしら。

彼は大丈夫かしら。

 

頬を寄せ合う。

この言葉に象徴されるように、

本当に身体を寄せ合い、そして、心を寄せ合い、

一生懸命、彼は彼女のためにお世話をし、

彼女は彼のために、一生懸命彼女らしくいようとした。

 

こんな夫婦の形もあるんだと、

また、教えていただいた。

 

あと少し。

彼らが幸せでありますように。

 

 

 

 

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