コロナなんて何処吹く風。

心づもり、されていた。

 

涙を流されながら、

この娘は、ほんと、

よく頑張りました。

と誇らしげに話されたお父さん。

 

その傍で、また、

涙を流されながら、

とっても素敵な緑色のワンピースを、

娘さんのために用意されたお母さん。

 

タナカと同年代の娘さんと、ご両親は、

10年近くこの病気と向き合ってこられた。

 

みなさん、心づもり、されていた。

 

そこには、

非常に深い悲しみがあり、

本当に心からお悔やみ申し上げる。

が、

素晴らしい時間も流れていた。

 

ご両親は、

うちの看護師たちと一緒に、

大切な娘さんのお体を

とても大切に綺麗にして、

とても大切にお着替えさせておられた。

 

ご両親の娘さんに対する深い深い愛情を垣間見れたお看取り。

 

 

ご両親の言葉が、全てだと思いました。

「うちの娘は、こんなにも長い間、本当によく頑張ったと思います」

 

ご両親のお顔は、

大切な娘さんをとっても誇らしく思われている愛で溢れていた。

一方、見送られた娘さんのお顔は、

とっても優しく美しく真っ白でご両親に似ておられた。

 

お家で最期まで暮らすこと。

これは、やはり、大切なことを教えてくれる。

 

この国は、大切な処で、道を間違えてはいけない。

この国は、大切なことを、忘れてはいけない。

 

日本の美しい文化は、ここにある。

「心づもり」は日本の文化だと思う。

 

 

世間はコロナ騒ぎの渦中だが、

ここ三田には日常の素晴らしいお看取りがあった。

合掌。

 

 

 

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