お暇(いとま)をいただく。僕もちょろっとそうしよう((笑))

もうね、90越えたのよ。ミンナア良おしてくれるんよ。

せやけど、そろそろね、このまんまやったらね、迷惑ばかりでしょ、

そろそろ、この世からね、お暇(いとま)をいただいて、あっちに帰るわ。

 

 

独居にこだわる90を越えたおばあさん。

ご主人の仏壇があるここの家から離れたくない。

何度となく、ベッドサイドや、リビング、トイレ前、

玄関で突っ伏して気絶されてオシッコまみれになってたりしても、

ここが良いそうだ。それでもそろそろお暇(いとま)をご希望されている。

 

それを知ってる近所に住む息子さんは、

先生、こんな感じで、ふわっとしときたいんですわ。

せやけどね、救えるかどうかの時は、必ず先生判断してくださいや。

そんなふうに僕を頼って頂ける。この感じも丁度良く心地いい((笑))

 

このおばあさんのためのヘルパーさんたちも、

おばあさんのいわゆるリビングウィルを理解し、

いろんな立場の援助者との連携もかなり良好だ。

 

僕がそろそろ帰りますねとお声をかけると、

さっき先生が訊いてくれた質問『上の階の仲良しのお友達の名前』

次、来はるまでには、ちゃんと思い出しとくわね。

やっぱりお暇(いとま)したくない気持ちもあるようだ。

そう言って眠そうやけど満面の笑みで手を振ってくれた。

出入りの窓から僕が出る頃にはもう居眠りされていた((笑))

 

 

最高を求めて終わりのない旅をする。

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