母の三田でのリハビリが始まった。リハビリ入院の話の前に父親の話。
一人暮らしが急に始まった父親の問題が起きてくる。
身の回りの生活援助・食事の問題・歯科診療所の経営。
父親は、昔気質の典型的な歯医者だ。
歯科診療以外は、全く何もしない。母が周りの全ての事をやってきた。
手術を受けた病院に母が入院中は、
歯科診療の仕事帰りに、父親は母親の顔を見に行き、
適当に話した後は、スーパーでお惣菜を買って帰る。
だいたいこの繰り返しで過ごすことができた、1ヶ月。
タナカも病院のお見舞いの後は、実家に寄るようにしていたので、
家の中の混乱は、最小限に留めることができた。
掃除は寄ったときに行い、洗濯モノは三田に持ち帰ってタナカのクリニックで。
一番の問題は、お金の管理だった。
すべて母親がしていたので、その管理がこちらにのしかかった。
歯科診療所の経理やら、生活の光熱費の支払い、父親の食費等の準備に至るまで、
あちこちの銀行に行って母親の代行をしなければいけなかった。
本当にデリケートだが大切な問題、お金の管理。
三田のリハビリ病院に母親が移ると、もっと問題が大きくなる。
というか、問題が潜在化する。
タナカ「大丈夫か??」
オヤジ「ああ、大丈夫や」
男同士の会話はこんなもんだ。
実際には、母親に言われ週1回程度は実家も見に行くことになる。
洗濯物が異様に少なかったり(多分あまり替えていないのだろう・・・)
お菓子の袋やカップ麺のゴミが増えたり、
賞味期限の切れたものが冷蔵庫の中にたくさんあったり、
実家の中に入らせるのを嫌がったり、、、、、
家の中が、かび臭くなってきたり、タバコ臭くなってきたり、、、、、
いろいろなことが、見え隠れしてくる。
そもそも、父親の生活スタイルを知らない。
どう関わっていいかわからない。
親の生活のサポートにおいて
親子であることが、逆に、マイナスとなることがある。
お互いに甘えやワガママが多くなり、
どんどんおかしい関係になってしまうのだ。
介護保険サービスの利用や地域コミュニティの相談窓口に行くことなど、
どこかのタイミングですべきだったのだろうが、
大阪の状況がわからないタナカは、どんどんと抱え込んでいった。
インターネットで、もっと情報を集めても良かったと思う。
いつも患者さんたちに話していることが、
自分の身に起こると何もできないことがよくわかった。
介護離職は、こうして、加速していく気がする。
つづく。
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