母親のリハビリが始まった。
回復期リハビリ病棟でのリハビリが始まった。
回復期のリハビリは、身体機能改善を図るとともに、
日常生活動作の訓練にも重点が置かれる。
受け身のリハビリから、自主的なリハビリに変化し、
生活再建にウエイトが移っていく。
「ここは全然揉んでくれへんわ」
もとの生活に戻れるように、自主的に歩かないとあかんで。
「自分でするリハビリは紙切れ渡されただけや、
前の病院はもっとマッサージしてくれたのに。
着替えとかトイレの動きとか、あんなんリハビリちゃうわ。
リハビリは、マッサージが大事やのに」
家に帰ってから、なかなか揉んでくれる人はおらへんよ。
「あん摩屋さんに来てもらうからええねん。
病棟の廊下を歩くのなんか、恥ずかしいからようせんわ」
リハビリテーションとは、
生活再建であり、社会復帰が、最大の使命。
マッサージは、症状に合わせ、やってもらえる程度。
リハビリテーションというものの重要な中身は、伝わりにくい。
母の生活再建の道は、まだまだ険しいなあと感じていた。
母の生活再建と僕の介護離職は、
反比例するんだろうなと思いながら、
母のリハビリをボンヤリと見学していた。
つづく。
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