つづき⑥『介護離職』

母親のリハビリが始まった。

回復期リハビリ病棟でのリハビリが始まった。

 

回復期のリハビリは、身体機能改善を図るとともに、

日常生活動作の訓練にも重点が置かれる。

受け身のリハビリから、自主的なリハビリに変化し、

生活再建にウエイトが移っていく。

 

「ここは全然揉んでくれへんわ」

 

もとの生活に戻れるように、自主的に歩かないとあかんで。

 

「自分でするリハビリは紙切れ渡されただけや、

前の病院はもっとマッサージしてくれたのに。

着替えとかトイレの動きとか、あんなんリハビリちゃうわ。

リハビリは、マッサージが大事やのに」

 

家に帰ってから、なかなか揉んでくれる人はおらへんよ。

 

「あん摩屋さんに来てもらうからええねん。

病棟の廊下を歩くのなんか、恥ずかしいからようせんわ」

 

 

リハビリテーションとは、

生活再建であり、社会復帰が、最大の使命。

マッサージは、症状に合わせ、やってもらえる程度。

リハビリテーションというものの重要な中身は、伝わりにくい。

 

母の生活再建の道は、まだまだ険しいなあと感じていた。

 

母の生活再建と僕の介護離職は、

反比例するんだろうなと思いながら、

母のリハビリをボンヤリと見学していた。

 

つづく。

 

 

 

 

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