『介護離職シーズンⅡ』第4話

リハビリ病院から退院した日に

確認しなければいけないことは多い。

 

三田でのリハビリだったので、

外泊等での確認がほとんどできていなかったからだ。

普通は、外泊を何度か行い退院する。

 

タナカ側の問題(ダスキン清掃・家具等搬入など)で、

別宅老健の準備ができていなかったので、

退院日に多くの動作の確認をしていった。

 

トイレ動作の立ち上がりはなんとかクリアできたが、

次は、活動量の維持、そして、可能ならば身体機能の改善をどうするかだ。

何事にも積極的に、そして、安全に、離床し歩いてほしかった。

 

せっかくリハビリ病院で訓練をしっかりしていただいたのに

帰ってから、動かないようでは、すぐに筋力が落ちてしまう。

母の場合は、一日動かなかったら、

一週間分くらいのリハビリが必要なくらい、すぐに筋力が落ちる。

そうすると、また転倒→骨折→入院のループにハマってしまう恐れがある。

しかしながら、これ以上、父母のために捻出できる時間は、

正直タナカにはなかった。限界だった。

 

独居生活をさせながら、身体機能を落とさないことは至上命題。

 

 

活動量の確保は、離床がポイントだ。

 

ベッドから容易に離床できれば、活動量も増える。

ベッドからの立ち上がりは、

高さを変更できる介護ベッドを用意したので、

調整すれば良い。

退院月は、離床を第一のテーマにしたので、

ベッドの高さを50センチメートルに設定しておいた。

他のどの場所よりも、高さが高いため立ち上がりやすくなる。

 

ベッドからの立ち上がりがスムーズに行くと、

離床が進み、活動範囲が広がる。

身体機能の維持が期待できる。

 

母は、

「ベッド(高さ50cm)からはすぐ出れるのに、トイレ(高さ42cm)してからベッドに戻ってくるのには、時間がかかるわ」

タナカの作戦成功だった。

 

精神面においても、実は、立ち上がりは非常に重要となる。

立ち上がれていたものができなくなると不安が強くなり、

逆に、立ち上がりがスムーズにできれば、自信をつけていく。

サイコロジカルヴィクトリーが常に必要となる。

独居生活に自信が必要。

生きていくには希望が必要。

 

活動量の確保にくわえ独居での安全を考慮して、

屋内は、シルバーカーを使うことにした。

生活の場面での使用がなかなか徹底されなかったが、

何度も使用の重要性を説明し理解してもらうようにした。

「こんな恥ずかしいものはワタシには必要ない」

「一人でコケて起き上がれるんか?転ばぬ先の杖やで」

「前にリハビリ病院で使わんと歩いて、コケたら、すぐに看護師さんが来てくれたで」

「これからは、きてくれへんで」

「アンタが泊まってくれたらええやん」

「今日は退院したとこやから泊まるけど、明日からは無理やで」

「お父さんに泊まってと頼んだら、なんでやねん、って言われたから、あんただけやねん」

「ムリムリ、三田の患者さんほっとくわけにはいかへんから」

「ワタシもアンタの患者やんか」

「患者さんやったら、オレの言う事ちゃんと聞いてシルバーカー使ってよ」

 

後日、半年で唯一、1回転倒した時は、シルバカーを使っていなかった。

「これからは必ず使います、ごめんなさい」

母はそれからは、ほんのちょっとだけ真面目にシルバーカーを使うようになった。

 

骨折しなくて本当によかったです。

 

退院日、まだまだ三田に戻れない。

つづく。

 

 

 

 

 

 

 

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