食事の後に必ず口腔ケア。息子さんがスポンジで。
エエ息子さんですね。こんなにも丁寧に。
そうお伝えすると、満面の笑みで、
「ホホホ、ホホホ、ホホホ、ウフフフフ」と、
ずーっとニコニコしながら声を出して笑われる。
住み慣れたお家で最期まで気ままに暮らしたい母を想って、
僕らのことを見つけて来て『ザイタクホスピス』の準備をする。
エエ息子さんですね。こんなにも気にかけてくれるなんて。
そうお伝えすると、満面の笑みで、
「母一人子一人で育ててきたからね。いい子でしょ」と、
胸水が溜まって咳が出るのも忘れてしまうくらいの
ニコニコ笑顔と笑い声で息子さんのことを自慢げに話される。
一から十まで、介護をお母さまの為に学び続けられている。
大きな床ずれが残念ながらできてしまった時も、
毎日の朝晩の洗浄で、とうとう治癒にまで漕ぎ着けられた。
エエ息子さんですね。今日もやっぱり自慢の息子さんですね。
そうお伝えすると、満面の笑みで、
「私の育てた息子は立派なお仕事をしてきたのよ」と、
言葉は出せないけど、そのお顔はそう物語っていた。
大切なお母様を、息子さんが甲斐甲斐しく介護されている。
そんな微笑ましい親子をアチコチに見る度に、僕は母を思い出す。
やっぱり、すべてを包み込む愛がそこにはあって、
今こうして、太陽のように僕がニコニコ笑ってられるのも、
母のおかげなんだと、アチコチの親子の患者さんが教えてくれる。
こんなにも母親の愛が素敵だったことに、
今頃だけど、やっと気がついている。
『ザイタク』は、本当に有り難いことです。
あ、そうそう、余談ですが、
僕がもし女の子だったら、
太陽のような女の子になるように、
『陽子』って名付けるつもりだったそうです（（笑））
母が僕を見ながらニコニコ笑って教えてくれました。
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